疾患解説
フリガナ | バルトネラカンセンショウ |
別名 | |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Bartonellosis/Cat Scratch Disease |
ICD10 | A28.1 |
疾患の概念 | ネコ引っかき病は、グラム陰性桿菌であるB.henselaeが原因の感染症で、ネコの飼い主や免疫不全患者が感染する。ネコに引っかかれた後に発症するが、ネコノミが媒介昆虫となることもある。患者の99%は、健康なネコとの接触が原因で、殆どの罹患者は、小児である。Bartonella属菌は、かつてはリケッチアに分類されていたグラム陰性細菌で、通性細胞内寄生菌であり、赤血球および内皮細胞内に生息し、ネコひっかき病、オロヤ熱およびペルー疣、細菌性血管腫症、塹壕熱を発症する。 |
診断の手掛 | ネコに引っかかれた後、3~10日以内に、引っかき傷の部位に紅斑性で痂皮を有する丘疹や潰瘍形成が見られたら、本症を疑う。2週間以内に所属リンパ節が腫脹する。リンパ節は、初期には堅く圧痛があるが、時間が経過すると波動性となり瘻孔を形成することもある。リンパ節腫脹の時期には発熱、全身倦怠感、頭痛、食欲不振を訴えることもある。非定型症状としてパリノー症候群、神経学的症状、肝・脾肉芽腫が見られることがある。 |
主訴 |
潰瘍|Ulcer 丘疹|Papule 食欲不振|Anorexia 頭痛|Headache/Cephalalgia 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever リンパ節腫脹|Lymphadenopathy |
鑑別疾患 |
悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma 結核 細菌性リンパ節炎 性病性リンパ肉芽腫|Lymphogranuloma Venereum |
スクリーニング検査 |
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S] Leukocytes|白血球数 [/B,/B] Platelets|血小板 [/B] |
異常値を示す検査 | Haptoglobin|ハプトグロビン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【培養】 リンパ節吸引物、引っかき傷患部よりの検体培養で診断が確定できる。 【抗体】 70~90%の陽性率である。 【PCR】 生検材料のB.henselaeの168rRNA遺伝子同定も行われる。 【生検】 壊死性リンパ節炎が見られるが、特異的な所見ではない。 |
検体検査以外の検査計画 |