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疾患解説

フリガナ VIPサンセイシュウヨウ
別名 VIP腫瘍
Verner-Morrison症候群
WDHA症候群
膵性コレラ
水様下痢低K血症無胃酸症候群
臓器区分 内分泌疾患
英疾患名 VIPoma
ICD10 C25.4
疾患の概念 血管作動性小腸ペプチド(VIP)を分泌する非β膵島細胞腫瘍で、水様性下痢(80 ~100%)、脱水症(80%)、低K血症(80~100%)、高Ca血症(50%)、無酸症(54~76%)、皮疹(20%)を呈するWDHA症候群を来すが、一部は多発性内分泌腫瘍として発症する。VIP腫瘍の80~90%は膵原発で、50~70%は悪性である。下痢は分泌性で、絶食時にも持続し、全例で、一日に1~3Lになる。下痢便には、多量のKと重炭酸が含まれるので、低K性アシドーシスや筋力低下も見られる。
診断の手掛 長引く大量の水様性下痢を訴える患者を診たら本症を疑う。下痢は空腹時で1L/日、非空腹時で3L/日以上になる。診断は分泌性下痢の確認(便の浸透圧が血漿浸透圧とほぼ同じで、便中のNaとK濃度の合計が便の浸透圧に相当する)が必要である。分泌性下痢を見た場合は、下剤の乱用を除外する必要があり、血清VIP濃度の測定が推奨される。また、患者の半数は高血糖と耐糖能異常を示すので注意する。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
顔面紅潮|Facial suffusion
筋力低下|Weakness
痙攣性腹痛|Spastic abdominal pain
下痢|Diarrhea
嗜眠|Lethargy
水様性下痢|Watery diarrhea
脱水|Dehydration
皮疹|Eruption/Exanthema
腹痛|Abdominal pain
鑑別疾患 カルチノイド症候群|Carcinoid Syndrome
短腸症候群
腸管感染症
腸管病原性ウイルス感染症
下剤の乱用
肥満細胞症|Mastocytosis
甲状腺髄様癌|Medullary Carcinoma of Thyroid
内分泌腫瘍
スクリーニング検査 Calcium|カルシウム [/S]
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S]
Potassium|カリウム [/S]
異常値を示す検査 Vasoactive Intestinal Polypeptide|バゾアクティブ腸管ペプチド/血管作動性腸管ポリペプチド [/S]
関連する検査の読み方 【血管作動性腸管ポリペプチド】
血清VIP濃度は75pg/mL以上になる。VIPの分泌は一過性なので確定診断のためには何回か測定を繰り返すか、下痢発症時に採血する。VIPは血管拡張、血圧低下、心拍出量増加、小腸の水・電解質分泌亢進などの生理作用を持つペプチドホルモンで、VIP産生腫瘍はWDHA症候群の原因となる。大量の水溶性下痢、低K血症、無酸症を来す患者を診たらVIP産生腫瘍を疑う。また、VIP産生腫瘍はグルカゴン、5-HIAAなども増加することがあるので注意が必要である。
【糞便検査】
分泌性下痢便で、便の浸透圧が血漿浸透圧とほぼ同じであれば、診断は確定する。便の浸透圧は便中のNaとK濃度の合計2倍に当たる。大量の水様性下痢(1日1~3L)がみられ、しばしば電解質異常および脱水を引き起こす。水様性下痢が確認された患者では、血清VIP濃度を下痢発作時に測定することが望ましい。
【血糖】
約半数の患者で高血糖と耐糖能異常が見られる。
【Ca】
半数の患者で高Ca血症が起こる。
【K】
低K血症性腎症に伴う低K血症が見られる。
【代謝性アシドーシス】
脱水に伴い代謝性アシドーシスが起こる。
検体検査以外の検査計画 腹部CT検査、腹部MRI検査、超音波内視鏡検査、動脈造影検査、オクトレオチドシンチグラフィー

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