疾患解説
フリガナ | ナイアシンケツボウショウ |
別名 |
ペラグラ ビタミンB3欠乏症 |
臓器区分 | 代謝性疾患 |
英疾患名 | Niacin Deficiency |
ICD10 | E52 |
疾患の概念 | ナイアシン誘導体は、酸化還元反応の補酵素であり、細胞内代謝で極めて重要な物質である。食物中のトリプトファンは、ナイアシンに代謝されるので、乳製品を摂取できる先進国では、欠乏症は殆ど見られない。臨床所見は、びまん性及び色素沈着性発疹(Dermatitis)、胃腸炎(Diarrhea)、認知力低下(Dementia)の「3つのD」である。原発性欠乏症は、ナイアシンとトリプトファンの両方の摂取が不十分な場合に発症し、通常はトウモロコシを主食とする地域で見られる。二次性欠乏症は、下痢、肝硬変、アルコール依存症が主たる原因である。 |
診断の手掛 | トウモロコシを主食とする地域以外では、下痢症、肝硬変、アルコール依存症、術後のビタミンを欠いた栄養補給をしている患者に「3つのD」を認めたら本症を疑う。ペラグラは、長期のイソニアジド治療中や、カルチノイド症候群、Hartnap病にも起こりうるので注意する。皮膚症状:日光に暴露した皮膚に、両側対照的に手袋様またはブーツを履いたような色素沈着性発疹がみられる。粘膜症状:口内炎や舌や口の粘膜が明るい深紅色になる。消化器症状:広範囲の消化管粘膜の炎症により、下痢、便秘、血便などがみられる。中枢神経症状:精神異常、脳症、認知力低下を引き起こす。 |
主訴 |
意識障害|Memory impaiment 嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 記憶障害|Memory impairment 血便|Bloody stool/Hemorrhagic stool/Hematochezia 下痢|Diarrhea 錯乱|Confusion 認知障害|Cognitive impaorment/Dementia 便秘|Constipation 発疹|Eruption/Exanthema |
鑑別疾患 |
アルコール依存症|Alcoholism 下痢症|Diarrhea 健忘症 口内炎 食道炎|Esophagitis 腟炎 舌炎 認知症|Dementia ハートナップ病|Hartnup Disease 皮膚炎 |
スクリーニング検査 | |
異常値を示す検査 | N-Methylnicotinamide [/U] |
関連する検査の読み方 |
【尿中N-メチルニコチンアミド】 低値なら欠乏症が示唆される。0.8mg/日未満(5.8μmol/日未満)ならナイアシン欠乏症が示唆される。 |
検体検査以外の検査計画 |