疾患解説
フリガナ | コツニクシュ |
別名 | |
臓器区分 | 運動器疾患 |
英疾患名 | Osteosarcoma |
ICD10 | C41.9 |
疾患の概念 | 長管骨、特に大腿骨遠位骨幹端、脛骨近位骨幹端、上腕骨近位骨幹端に多く発症する原発性悪性骨腫瘍で、10~20歳代に好発する。原発性悪性骨腫瘍の中では最も多く、極めて悪性で、肺または骨に転移する。 |
診断の手掛 | 10~25歳で、外傷などの誘因がなく出現する骨、関節部の疼痛や腫脹を訴える患者を診たら本症を疑う。 |
主訴 |
関節腫脹|Articular swelling 関節痛|Arthralgia 骨痛|Osteodynia/Bone pain/Ostalgia 疼痛|Pain/Ache |
鑑別疾患 |
骨髄炎|Osteomyelitis 疲労骨折 良性骨腫瘍 |
スクリーニング検査 | Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S] |
異常値を示す検査 |
6-Sulfatoxymelatonin [/U, /U] Acid Phosphatase|酸性ホスファターゼ [/S] Alkaline Phosphatase,Bone Isoenzyme|骨型アルカリホスファターゼ/骨性ALP [/S] Ceruloplasmin|セルロプラスミン/フェロオキシダーゼ [/S] Copper|銅 [/S] Osteocalcin|オステオカルシン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【p53遺伝子】 変異を認める。p53遺伝子の変異はヒトのあらゆる組織の腫瘍で認められる。変異は多くの場合17番染色体短腕(17p)の一方のアレル欠失と点突然変異である。この遺伝子の変異はヒトのあらゆる組織由来の腫瘍で認められる。臨床的には癌の悪性度の評価や予後推定に有用である。 【オステオカルシン】 軽度から高度の増加を認める。 【ALP】 骨性ALP(ALP3)が増加する。ALPを分画すると、ALP1(高分子型)、ALP2(肝型)、ALP3(骨型)、APL4(胎盤型)、ALP5(小腸型)、ALP6(免疫グロブリン結合型)に分けられる。骨型APは骨形成によって産生されるので、骨形成が盛んな小児期のほか悪性腫瘍骨転移、骨肉腫、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症などで高値を示す。生理的変動要因として思春期に中等度の増加(50~200U/L)があることに注意する。また、女性では閉経前後期に10U/L程度の経度上昇が認められる。臨床的には悪性腫瘍の骨転移のモニタリングとして、ALP値を連続的に測定し、高値が見られたらアイソザイム検査を必ず行う。 【酸性ホスファターゼ】 中等度~高度増加することがある。ACPはアルカリホスファターゼと同様にリン酸モノエステルを加水分解する酵素であるが、触媒反応がpH5という酸性条件下で行われるという違いがある。臓器分布は赤血球、血小板、肝、骨、脾、腎、前立腺などで5種のアイソザイムが存在し、細胞虚血により血中に逸脱する。前立腺に含まれる前立腺酸性ホスファターゼはL-酒石酸により活性が阻害されるという特徴があり、臨床的に前立腺癌の腫瘍マーカーとして測定される。骨吸収疾患では破骨細胞に由来するACPが骨代謝の指標として測定される。測定に際しては、赤血球に多量に含まれるため溶血を避けること、血清室温放置によるpHのアルカリ化による失活に注意する。 【生検】 確定診断に必要である。 |
検体検査以外の検査計画 | 骨シンチグラフィ、単純X線検査、CT検査、MRI検査 |