疾患解説
フリガナ | タンクローンセイγ-グロブリンケッショウ |
別名 |
異常蛋白血症 パラプロテイン血症 形質細胞異形成 |
臓器区分 | 血液・造血器疾患 |
英疾患名 | Monoclonal Gammopathy(MGUS) |
ICD10 | D47.2 |
疾患の概念 | 血中に単クローン性γ-グロブリンが認められるが、量的に少なく、骨髄中の単クローン性形質細胞も骨髄細胞の10%以下で、臨床的には通常無症候性であるが、末梢神経障害や骨量減少による骨折が起こりやすくなる。最初、殆どの症例は良性であるが、最大25%(年当たり1%)が骨髄腫を発症するほか、マクログロブリン血症、アミロイドーシス、リンパ腫のようなB細胞疾患に進展する。 |
診断の手掛 | 通常は無症状であるが、末梢神経障害が見られる場合がある。尿または血中にM蛋白が偶然見つかることが本症の診断の手掛りである。M蛋白の量は、血清中(3g/dL未満)または尿中(24時間当たり300mg未満)で、いずれも低い。MGUSのM蛋白量は長期にわたり安定しており、溶解性骨病変、貧血、腎機能障害が認められないので、他の形質細胞疾患と区別される。骨髄検査では、軽度の形質細胞増加(有核細胞が10%未満)がみられる。1/3の単クローン性γ-グロブリン血症はリンパ性悪性腫瘍、アミロイドーシス、または多発性骨髄腫を発症するので、定期的な検査が望ましい。 |
主訴 |
頭痛|Headache/Cephalalgia 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 蛋白尿|Proteinuria 脱力感|Weekness |
鑑別疾患 |
H鎖病 アミロイドーシス|Amyloidosis 原発性マクログロブリン血症|Waldenstrom's Macroglobulinemia 骨髄異形成症候群|Myelodysplastic Syndrome 多発性骨髄腫|Multiple Myeloma |
スクリーニング検査 |
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/S] |
異常値を示す検査 | |
関連する検査の読み方 |
【M蛋白】 通常3g/dL以下で増加しない。アルブミンは基準範囲内である。 【免疫グロブリン】 多発性骨髄腫に比べると少量である。 【免疫電気泳動】 73%はIgG型である。 【骨髄像】 形質細胞は10%以下である。 【合併する疾患】 加齢、貧血、慢性疾患(関節リウマチが多い)、感染症(結核)。 【予後】 10%の患者は10年以内に骨髄腫、マクログロブリン血症、原発性アミロイドーシスを発症する。 |
検体検査以外の検査計画 |