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疾患解説

フリガナ チョウリンパカンカクチョウショウ
別名 特発性低蛋白血症
臓器区分 消化器疾患
英疾患名 Intestinal Lymphangiectasia
ICD10 I89.0
疾患の概念 特発性低蛋白血症とも呼ばれ、小腸の粘膜内リンパ管の閉塞、または奇形によって発症する。原因はリンパ排液障害で、腸管へのリンパ液漏出によりカイロミクロンとリポ蛋白の吸収障害が起こり、結果として脂肪と蛋白質の吸収不良を来す。リンパ系の奇形は、先天性と後天性があり、先天性は通常3歳以前に診断されるが、稀に青年にも発症する。後天性は、後腹膜線維症、収縮性心膜炎、膵炎、腫瘍またはリンパ管閉塞を来す疾患で発症する。
診断の手掛 非対称性の末梢性浮腫、間欠性下痢、悪心、嘔吐、腹痛、脂肪便を訴える患者を診たら本症を疑う。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
間欠性下痢|Intermittent diarrhea
下痢|Diarrhea
脂肪便|Steatorrhea
腹痛|Abdominal pain
浮腫|Edema/Dropsy
末梢性浮腫|Peripheral edema
鑑別疾患 後腹膜線維症
収縮性心膜炎
膵炎
腫瘍
リンパ管閉塞性疾患
吸収不良症候群|Malabsorption
蛋白漏出性胃腸症
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/S]
Calcium|カルシウム [/S]
Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S]
Lymphocytes|リンパ球 [/B]
異常値を示す検査 Immunoglobulin E|免疫グロブリンE/非特異的IgE/レアギン抗体 [/S]
関連する検査の読み方 【CBC】
リンパ球が減少する。
【アルブミン】
蛋白漏出の結果として、低蛋白血症が見られる。
【コレステロール】
脂肪吸収不全により低値となる。
【免疫グロブリン】
IgA,IgG,IgMが低値、IgEは高値になる。
【トランスフェリン】【セルロプラスミン】
いずれも低値になる。
【D-キシロース吸収試験】
正常である。経口投与されたD-キシロースの60~70%は空腸で吸収され、体内で代謝を受けることなく吸収量の40~50%が腎から尿中に排泄される。このキシロースの性質を利用し、空腸機能検査として吸収不良症候群を疑う患者を診た場合に測定する。また、この検査が低値を示した場合は近位空腸の吸収障害であり、正常なら膵疾患による吸収不良であることが鑑別できる利点がある。
【小腸生検】
確定診断は生検で行う。
検体検査以外の検査計画 小腸内視鏡検査、リンパ管造影検査、バリウム注腸検査

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