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疾患解説

フリガナ キュウシュウフリョウショウコウグン
別名
臓器区分 消化器疾患
英疾患名 Malabsorption
ICD10 K90.9
疾患の概念 消化管から吸収される蛋白、脂肪、糖質、ビタミン類、無機質の消化・吸収障害により、これら物質の欠乏症が生じ、様々な症状を呈する疾患群をいう。1.脂肪・蛋白質・炭水化物の加水分解 2.刷子縁酵素による消化と最終産物の取り込み 3.栄養素のリンパ輸送のいずれかが障害されても発症する。
診断の手掛 下痢、脂肪便(悪臭のある白っぽい脂肪分の多い便)、腹部膨満、ガス産生などの非吸収物質の影響の他に、栄養欠乏に伴う種々の症状を呈する患者を診たら本症を疑う。また、食物摂取が十分にもかかわらず体重が減少する患者も本症を疑う。最も頻度の高い症状は、慢性下痢症で、これが患者を診断するきっかけとなる。脂肪の排泄が7g/日を上回ると、過度の脂肪を含む吸収不良の特徴である脂肪便が見られる。脂肪便は、悪臭を放つ白色の量の多い高脂肪分の便である。吸収不良が進行すると、重度のビタミンおよびミネラル欠乏が起こり、これ等の栄養素の欠乏に関連する症状を発症する。低栄養によって無月経が生じることがあり、若年女性におけるセリアック病の重要な臨床像なので注意する。
主訴 易疲労感|Fatigue
ガス産生|Aerosis/Aerogenesis
胸水|Pleural effusion
下痢|Diarrhea
紫斑|Purpura
脂肪便|Steatorrhea
出血傾向|Bleeding tendency/Hemorrhagic diathesis
視力障害|Blurred vision/Visual impairment
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
体重減少|Weight loss
動悸|Palpitations
貧血症状|Anemic symptom
腹水|Ascites
腹部膨満感|Sense of Abdominal fullness
腹部膨隆|Abdominal swelling/Gastromegaly
浮腫|Edema/Dropsy
慢性下痢|Chronic diarrhea
やせ|Weight loss
労作時息切れ|Dyspnea on exertion
鑑別疾患 Whipple病
潰瘍性大腸炎|Ulcerative Colitis
クローン病|Crohn's Disease
甲状腺機能低下症|Hypothyroidism
骨軟化症|Osteomalacia
神経性食欲不振症
摂食障害
セリアック病|Celiac Disease
低K血症|Hypokalemia
低Na血症|Hyponatremia
低アルブミン血症
熱帯性スプルー
ネフローゼ症候群|Nephrotic Syndrome
貧血
蛋白漏出性胃腸症
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/S]
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S]
Amylase|アミラーゼ [/S]
Calcium|カルシウム [/S, /F]
Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S]
Cholinesterase|コリンエステラーゼ/ブチルコリンエステラーゼ/偽コリンエステラーゼ [/S]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Magnesium|マグネシウム [/S]
MCH|平均赤血球ヘモグロビン量 [/B]
MCV|平均赤血球容積 [/B, /B]
Phosphate|無機リン [/S, /U]
Prothrombin Time|プロトロンビン時間 [/P]
Thyroxine (T4)|総サイロキシン/総T4/サイロキシン/チロキシン [/S]
TIBC|総鉄結合能 [/S]
異常値を示す検査 25-Hydroxy Vitamin D3|25-ヒドロキシビタミンD3 [/S]
Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S]
Carotene|カロチン/プロビタミンA/カロチノイド [/S]
Chymotrypsin|キモトリプシン(便) [/F]
Complement C2|補体第2成分/C2 [/S]
D-Xylose Absorption Test|D-キシロース吸収試験/キシローゼ試験 [/U]
Factor II|第II因子活性/プロトロンビン [/P]
Fat|脂肪(糞便) [/Feces]
Fat Absorption Test|脂肪消化吸収試験 [/Feces]
Folate|葉酸/プテロイルモノグルタミル酸/ビタミンM/乳酸菌発育因子 [/S]
Glucose Tolerance|ブドウ糖負荷試験/グルコース負荷試験 [/S]
Indican|インジカン [/U]
Pancreatic Functional Diagnostant Test|PFDテスト/Bentiromide試験/BT-PABA試験 [/U]
Parathyroid Hormone|副甲状腺ホルモン [/P]
pH|尿pH [/U]
Thyroxine Binding Globulin|サイロキシン結合グロブリン/チロキシン結合グロブリン [/S]
Triolein 131I Test [Positive/F]
Vitamin B12|ビタミンB12/コバラミン/シアノコバラミン [/S]
Vitamin C|ビタミンC/アスコルビン酸 [/S]
Vitamin K|ビタミンK/ビタミンK分画 [/S]
Volume [/F]
Xylose Tolerance Test [Abnormal/U]
Zinc|亜鉛 [/S]
α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/Duodenal Contents]
α1-Antitrypsin|α1-アンチトリプシン [/S]
関連する検査の読み方 【CBC】
鉄、葉酸、ビタミンB12の吸収不足により貧血が起こる。
【PT】
ビタミンKの吸収不良があると延長する。
【D-キシロース吸収試験】
5g経口法で5時間尿中排泄率が30%未満、25g経口法で20%未満である。経口投与されたD-キシロースの60~70%は空腸で吸収され、体内で代謝を受けることなく吸収量の40~50%が腎から尿中に排泄される。このキシロースの性質を利用し、空腸機能検査として吸収不良症候群を疑う患者を診た場合に測定する。また、この検査が低値を示した場合は近位空腸の吸収障害であり、正常なら膵疾患による吸収不良であることが鑑別できる利点がある。
【脂肪消化吸収試験】
吸収障害を認める。脂肪の消化吸収能検査は従来アイソトープを使っていたが、最近は1日の脂肪摂取量を30~40gに制限し、3日の蓄便中の脂肪量を測定するvan de Kamer法が使われている。また、簡易法として糞便中の脂肪球をズダンIIIで染色し鏡検で1視野に脂肪球4個以上あれば陽性とする方法もある。臨床的には消化管での脂肪の消化と吸収の評価に用いる。
【胆汁酸負荷試験】
最高胆汁酸濃度と空腹時胆汁酸濃度の差が10μmol/L以上である。
【BT-PABA試験】
6時間尿中排泄率が70%未満である。PFD試験に用いられる合成基質BT-PABAは、膵外分泌酵素のキモトリプシンで分解されPABAになり、小腸で吸収され肝で抱合を受けた後尿中に排泄される。この検査は膵外分泌機能検査用試薬(ベンチロミド)を経口投与し、キモトリプシンで分解されたPABAの6時間後の尿中排泄率を求めるもので、膵外分泌機能検査として広く使われている。ただし、軽度~中等度の障害では陽性にならないので、アミラーゼ、トリプシンなどの検査を併用する。臨床的には膵外分泌障害を感度40~85%、特異度71~90%で検出できる。
【乳糖20g経口負荷試験】
グルコース増加が10mg/dL未満である。
【蛋白質吸収の指標】
便中窒素量、ゼラチン食後の血漿グリシン、尿中ヒドロキシプロリン測定、血清アルブミンで行う。
【電解質吸収の指標】
Ca、Mg、K、ビタミンDを測定する。
【ブドウ糖吸収の指標】
グルコース負荷試験やD-キシロース吸収試験があるが、診断的価値は限定的である。
【カロチン】
基準範囲は70~290μg/dLであるが、30μg/dL以下の高度欠乏を認めることがある
【プレアルブミン】
低下する。
【脂肪】
糞便の肉眼所見で油滴、バター様物質、未消化の卵片等を認める。脂肪量(1日糞便中脂肪6g以上)と糞便重量が増加する、脂肪滴(1視野10個以上)はズダンIII染色で確認できる。
【検査値の異常】
通常は血清カロテン・アルブミン・血清鉄の低下、赤沈亢進、24時間で300gを越える便量、24時間で6gを超える脂肪便、貧血である。
検体検査以外の検査計画 小腸X線検査、小腸バリウム造影検査、腹部臥位X線検査、14C-キシロース呼気試験

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