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疾患解説

フリガナ アルポートショウコウグン
別名 遺伝性腎炎
臓器区分 腎・泌尿器疾患
英疾患名 Alport's Syndrome
ICD10 Q87.8
疾患の概念 血尿、腎機能障害、感音難聴および眼球異常を特徴とするⅣ型コラーゲン遺伝子の突然変異により発症する疾患で、幼小児期に顕微鏡的血尿が見られ、女性では生涯持続するが、男性は腎機能障害が進行し末期には腎不全に至る。30~40%の患者は聴力障害を合併する。遺伝性腎炎は、IV型コラーゲンα5鎖をコードするCOL4A5遺伝子の突然変異と、その結果もたらされる変性IV型コラーゲン鎖に起因する腎炎症候群である。X連鎖で遺伝するため、女性は通常無症状で、機能障害は殆どみられない。高周波音域に影響する感音難聴がしばしば存在する。眼科的異常として白内障、前部円錐水晶体、球状水晶体、眼振、網膜色素変性失明が見られる。その他の症状として多発神経障害や血小板減少症などがある。
診断の手掛 血尿、聴覚障害、視覚異常が見られる患者と慢性腎臓病の家族歴がある患者を診たら本症を疑うが、我が国では眼症状を持つ患者は少ない。診断は腎生検とIV型コラーゲンサブタイプの免疫染色法で確定する。X連鎖遺伝性のため女性は男性に比べ一般に軽症である。血尿は腎炎に進行し男性では壮年期に、一部の女性は高齢になってから腎不全を起こすことがある。尿検査で顕微鏡的血尿や肉眼的血尿の再発を訴える患者で、特に聴覚もしくは視覚の異常または慢性腎臓病の家族歴を有する患者は本症を強く疑う。
主訴 血尿|Hematuria
視力障害|Blurred vision/Visual impairment
聴力障害|Hypoacusis
難聴|Hearing loss
鑑別疾患 糸球体基底膜菲薄化症候群
ミトコンドリア病
IgA腎症|IgA Nephropathy
感音性難聴
白内障
ネフローゼ症候群|Nephrotic Syndrome
糸球体腎炎
腎炎症候群
スクリーニング検査 Creatinine|クレアチニン [/S]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/U]
異常値を示す検査 CD45 Leukocytes|CD45 [/Tissue]
Intercellular Adhesion Molecule-1|CD54 [/Tissue]
Soluble Intercellular Adhesion Molecule-1|可溶性ICAM-1/可溶性CD54/細胞接着分子-1 [/S]
関連する検査の読み方 【尿検査】
肉眼的血尿、顕微鏡的血尿、蛋白、白血球、円柱がみられる。稀にネフローゼ症候群様の所見がみられる。
【遺伝子解析】
COL4A5,COL4A3,COL4A4の遺伝子変異が見られる。
【病理組織検査】
Ⅳ型コラーゲンα鎖モノクローナル抗体による解析で確定診断が可能である。
【確定診断】
確定診断は1.腎生検とIV型コラーゲンサブタイプに対する免疫染色法 2.糸球体毛細血管の様々な肥厚および菲薄化を伴う緻密層の特徴的な組織崩壊の電子顕微鏡を用いての確認 3.家族歴が陽性の患者の皮膚生検とIV型コラーゲンサブタイプに対する免疫染色法による。
検体検査以外の検査計画 聴力検査、眼科検査

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