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疾患解説

フリガナ サイキンセイショクチュウドク
別名
臓器区分 感染性疾患
英疾患名 Bacterial Food-poisoning
ICD10 A05.9
疾患の概念 食品中の微生物が原因で起こる中毒性疾患で、食品衛生法では食中毒原因菌として、腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ菌属、ボツリヌス菌、病原大腸菌、ウェルシュ菌、セレウス、Vibrio cholerae non-O1、V. mimicus、V. fluvialis、Campylobacter jejuni/coli、Yersinia enterocolitica、Aeromonas hydrophilia、Aeromonas sobia、Plesiomonas shigelloides の 16 菌種がある.また、平成9年よりノロウイルスが食中毒原因物質として指定されている。病態としては、1.毒素型(黄色ブドウ球菌,ボツリヌス菌など):食品中の微生物が産生した毒素を経口摂取して発症するもの。乳児では蜂蜜内のボツリヌス菌が腸内で増殖して毒素を産生する乳児ボツリヌス症がある。2.感染侵入型(サルモネラ菌属,侵入性大腸菌など):生菌が経口摂取され、腸管に入り、定着・増殖し、腸管上皮細胞や組織内に侵入する。3.感染毒素型(腸炎ビブリオ,エロモナス,病原大腸菌など):経口摂取された菌が腸管に達し、定着・増殖し、腸管内に留まった菌が毒素を産生する。
診断の手掛 主要症状は、下痢、嘔吐、腹痛、血便などで、発熱は毒素型の食中毒ではみられない。ボツリヌス食中毒は、視力低下、複視、発語障害などが初発症状であることが多く、神経麻痺症状がみられ、消化器症状を欠く。サルモネラ菌属では敗血症や髄膜炎を、また、EHEC O157 による食中毒では溶血性尿毒症症候群や脳症を引き起こすことがあり、特に小児や高齢者に多く発症する。共通した食品を摂取後、同じ集団に同じ症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢、発熱など)を認めたら集団中毒を疑う。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
血便|Bloody stool/Hemorrhagic stool/Hematochezia
下血|Melena
下痢|Diarrhea
言語障害|Language disorder/Allophasis
構音障害|Dysarthria
消化管出血|Gastrointestinal bleeding
視力障害|Blurred vision/Visual impairment
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
複視|Diplopia
腹痛|Abdominal pain
鑑別疾患 急性虫垂炎|Acute Appendicitis
コレラ|Cholera
細菌性赤痢|Bacillary Dysentery
ウイルス性消化管感染症
原虫性消化管感染症
脳血管障害
ヘノッホ-シェーンライン紫斑病|Henoch-Schönlein Purpura
腸重積症
スクリーニング検査 C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Leukocytes|白血球数 [/B]
異常値を示す検査
関連する検査の読み方 【ウェルシュ菌食中毒】
汚染物摂取8~12時間後に激しい腹痛と水溶性下痢を訴える患者を診たら本症を疑う。汚染された肉類、乳製品が原因である。
【エルシニア食中毒】
汚染物摂取2~10日後に発熱、下痢、右下腹部の腹痛を訴える患者を診たら本症を疑う。食中毒症状の数日後に関節痛、関節炎、結節性紅斑などの続発症状を認めることがある。エルシニアはYersinia pestis、Y.enterocolitica、Y.pseudotuberculosisの3種があり、pestisはペストの原因菌、他の2種は自然界に広く分布している。抗体価は感染5~10病日の間に上昇し、3週目にピークとなり、2~6ヶ月後には検出限界以下となる。
【出血性大腸菌O157】
汚染物摂取2~7日後に腹痛、水溶性下痢を訴え、次第に血性下痢便に移行する患者を診たら本症を疑う。発熱は殆どみられない。腸管毒素性大腸菌はO157,O111,O128,O145などの血清型があるが60~80%はO157が占めている。O157の多くの菌種はベロトキシンを産生するため、下痢、腹痛、血便、嘔吐などの消化器症状を訴える患者はこの検査を積極的に行う。臨床的には大腸菌O157が確認されたらEHECを疑いベロトキシン産生の有無を検査し、ベロトキシンによる溶血性貧血や腎不全の症状が現れていないか注意深く観察する。
【セレウス菌食中毒】
汚染物摂取約12時間後に下痢、腹痛を発症するが悪心・嘔吐、発熱を伴わない患者を診たら本症を疑う。肉類が原因である。
【組織侵入性大腸菌食中毒】
汚染物摂取10~18時間後に発熱、腹部疝痛、全身倦怠感、膿粘血便などの赤痢様症状を訴える患者を診たら本症を疑う。
【腸炎ビブリオ食中毒】
汚染物摂取6~48時間後に腹部疝痛を伴う急性下痢を訴える患者を診たら本症を疑う。約50%に悪寒・発熱、30%に嘔吐がみめられる。腸炎ビブリオは耐熱性の溶血毒を産生するが、この毒素はヒト赤血球を溶血するがウマ赤血球は溶血しない。この現象は神奈川現象と呼ばれ、これを利用した耐熱性溶血毒の検査が本法である。夏季に生鮮魚介類を摂取後に下痢や激しい腹痛を訴える患者を診た場合には、下痢便を採取し細菌検査と共に増菌培養液上清を検体とし検査する。
【毒素原性大腸菌食中毒】
汚染物接種後10~12時間後に水溶性下痢、嘔吐、腹痛を訴える患者を診たら本症を疑う。発熱は殆んどない。
【病原性大腸菌食中毒】
汚染物摂取9~12時間後に水様性下痢、腹部疝痛、発熱などのサルモネラ感染症と類似した症状を訴える患者を診たら本症を疑う。
【ブドウ球菌食中毒】
汚染物摂取後数時間で急激に発症する悪心・嘔吐、腹痛、下痢を訴える患者を診たら本症を疑う。発熱は殆どみられない。
【ボツリヌス食中毒】
汚染物摂取12~36時間後に複視や羞明などの眼症状が初発症状である。約半数は悪心・嘔吐が認められる。進行すると唾液・涙の分泌低下、発声困難、嚥下障害などが出現する。Clostridium botulinumは土壌に分布する芽胞菌で、A~Gの7種の毒素型に分けられる。ヒトのボツリヌス中毒ではA、B、E型が高頻度に検出される。この菌の芽胞は嫌気状態に置かれると発芽し、栄養菌型が増殖し毒素を産生する。毒素は強い神経毒で死に至ることもある。臨床的にはボツリヌス症の確定診断に用いる。
検体検査以外の検査計画

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