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疾患解説

フリガナ キュウセイチュウスイエン
別名
臓器区分 消化器疾患
英疾患名 Acute Appendicitis
ICD10 K35.9
疾患の概念 虫垂に原発する急性の化膿性炎症で、急性腹症の中で最も頻度が高い。原因は虫垂内腔の閉塞と考えられ、閉塞の原因は、リンパ組織過形成であるが、ときに糞石、異物さらには寄生虫によることもある。閉塞により腹部膨隆、腸内細菌異常増殖、虚血、炎症が起こり、放置すると壊死、壊疽、穿孔に至る。30%の症例はYersinia菌に対する補体結合抗体価が高いことから、これも原因の一つと考えられている。
診断の手掛 急性虫垂炎の症状は、心窩部痛または臍周囲痛と、それに続いて起こる悪心、嘔吐、食欲不振で、疼痛は数時間後に右下腹部に移動する。疼痛は咳嗽および動作で悪化する。発熱は微熱程度であるが、38.3℃以上になれば穿孔を疑う。また、頻脈は体温の上昇と相関する。典型的な徴候は、右下腹部のMcBurney点(臍と上前腸骨棘を結ぶ直線の中央3分の1と外側3分の1の接点)の圧痛および反跳痛、左下腹部触診による右下腹部痛(Rovsing徴候)、腸腰筋を伸ばす右股関節の伸展による疼痛増強(psoas sign)、屈曲した大腿部の内旋による疼痛(obturator sign)である。ただし、このような症状と徴候が揃う患者は約半数である。
主訴 ロブシング徴候
嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
下腹部痛|Hypogastric pain
筋性防御|Muscular defense/Muscle guarding
食欲不振|Anorexia
心窩部痛|Epigastralgia/Epigastric pain/Upper abdominal pein
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
頻脈|Tachycardia
腹痛|Abdominal pain
腹膜刺激症状|Peritoneal irritation sign
ブルンベルグ徴候|Blumberg sign
右下腹部圧痛|Right hypogastric tenderness
鑑別疾患 大腸癌|Cancer of Colon
急性腎盂腎炎|Acute Pyelonephritis
急性膵炎|Acute Pancreatitis
急性胆嚢炎|Acute Cholecystitis
急性腸炎
クローン病|Crohn's Disease
憩室炎|Diverticulitis
骨盤内炎症性疾患|Pelvic Inflammatory Disease(PID)
子宮外妊娠破裂
アメーバ症
腸閉塞|Intestinal Obstruction
尿管結石症
白血球増多症
腹部膿瘍
腹膜炎|Peritonitis
子宮付属器炎
骨盤腹膜炎
卵巣腫瘍茎捻転
スクリーニング検査 Amylase|アミラーゼ [/S]
C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S]
Erythrocytes|赤血球数 [/U]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B, /U]
Lymphocytes|リンパ球 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/U]
異常値を示す検査 Interleukin-6|インターロイキン-6 [/S]
Neutrophil Elastase|顆粒球エラスターゼ/好中球エラスターゼ [/S]
Phospholipase A2 [/S]
Phospholipase A2 Type II [/S]
Serotonin|セロトニン/5-ヒドロキシトリプタミン [/P]
関連する検査の読み方 【CBC】
白血球は核の左方移動を伴い12,000~14,000/μLに増加する。20,000以上の増加は穿孔を疑う。ただし、この所見は非常に大きく変動する可能性があるため、白血球数が基準範囲内を理由に虫垂炎を除外すべきではない。
【CRP】
症状出現後12時間で2.5mg/dL以下であれば急性虫垂炎は除外できるといわれている。CRPは肺炎球菌のC多糖体と反応する蛋白として発見された急性相反応物質の一つである。この蛋白はマクロファージが異物を貪食すると、このマクロファージが活性化されサイトカインを放出し、このサイトカインが肝細胞に働き産生される。臨床的には感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、組織崩壊などの全身性炎症性疾患で増加するので、これ等疾患の活動性の指標として測定される。2mg/dL以上の場合は活動性の炎症の存在を考える。
【尿一般検査】
白血球と赤血球が約25%の患者で出現する。
検体検査以外の検査計画 腹部X線検査、腹部超音波検査、造影CT検査、腹腔鏡検査

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