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疾患解説

フリガナ ヘノッホ-シェーンラインシハンビョウ
別名 IgA血管炎
過敏症様紫斑病
アナフィラクトイド紫斑
アレルギー様紫斑病
臓器区分 アレルギー疾患
英疾患名 Henoch-Schönlein Purpura
ICD10 D69.0
疾患の概念 紫斑、関節痛、腹痛が3主徴のアレルギー性紫斑病で、主として小血管に脈管炎を発症する。40~50%の症例は、IgAが高値を示し、皮膚と血管壁にIgA免疫複合体が沈着している。誘発抗原は、上気道感染ウイルス、レンサ球菌、薬物、食品、昆虫刺咬、予防接種などである。巣状分節性増殖性糸球体腎炎が発症することもあるが軽度である。90%の患者は、小児で男児に多い。2012年のChapel Hill Consensus Conferenceにおいて、この疾患は、皮膚および消化管の小型血管を侵し、しばしば関節炎を起こすIgA1優位の免疫沈着を伴う血管炎と定義され、IgA血管炎と呼ばれるようになった。
診断の手掛 紫斑性の皮疹が、足、脚、腕の伸即面および臀部に現れた患者を診たら本症を疑う。皮疹は点状から粟粒大までの、じんま疹様の発疹で始まり、数時間後に深紅色から紫色の出血斑に変わり、1~2週後に消退し色素沈着を残す特徴がある。多くの患者は、発熱と足関節、膝関節、股関節、手関節、肘関節に関節周囲の圧痛と腫脹を伴う多発性関節痛を発症する。また、仙痛性の腹痛、腹部圧痛および黒色便など消化管症状が見られ、便の潜血反応が陽性のことがある。小児では、ときに腸重積症を発症する。症状は、通常約4週間で寛解するが、数週間の無病期間の後、少なくとも一度は再発することが多いので注意する。
【診断基準:1990年米国リウマチ学会】
1)隆起性紫斑
2)急性疝痛性腹痛
3)生検組織における小血管周囲の白血球浸潤
4)20歳以下
*以上4項目のうち、2項目を満たせば診断できる。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
関節痛|Arthralgia
下血|Melena
下痢|Diarrhea
色素沈着|Pigmentation/Chromatosis
紫斑|Purpura
出血傾向|Bleeding tendency/Hemorrhagic diathesis
出血斑|Ecchymosis
水疱|Bulla/Blister
吐血|Hematemesis
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
皮疹|Eruption/Exanthema
腹痛|Abdominal pain
浮腫|Edema/Dropsy
発疹|Eruption/Exanthema
鑑別疾患 紫斑病
結節性多発動脈炎|Polyarteritis Nodosa(PAN)
顕微鏡的多発血管炎|Microscopic Polyangitis
ループス腎炎|Lupus Nephritis
クリオグロブリン血症|Cryoglobulinemia
過敏性血管炎
急性糸球体腎炎|Acute Glomerulonephritis
IgA腎症|IgA Nephropathy
特発性血小板減少症
全身性エリテマトーデス|Systemic Lupus Erythematosus(SLE)
抗リン脂質抗体症候群
Churg-Strauss症候群
薬剤(プロピルチオウラシル、プランルカスト)
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/S, /U]
Anti-Streptolysin O|抗ストレプトリジンO価/抗ストレプトリジン抗体 [/S]
Creatinine|クレアチニン [/S]
C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S]
Eosinophils|好酸球 [/B]
Erythrocytes|赤血球数 [/B, /U]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B]
MCH|平均赤血球ヘモグロビン量 [/B]
MCHC|平均赤血球ヘモグロビン濃度 [/B]
MCV|平均赤血球容積 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B]
Platelets|血小板 [/B]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/U]
TIBC|総鉄結合能 [/S]
Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S]
異常値を示す検査 Capillary Fragility|毛細血管抵抗試験 [/B]
Erythrocyte Casts|円柱 [/U]
Granular Casts|円柱 [/U]
Hepatocyte Growth Factor|肝細胞増殖因子 [/S]
Immune Complexes|免疫複合体 [/S]
Intercellular Adhesion Molecule-1|CD54 [/S]
Interleukin-1β|インターロイキン-1β [/U]
Iron Saturation|鉄飽和度 [/S]
Malondialdehyde [/S]
Occult Blood|潜血反応(便)/グアヤック法/o-トリジン法/ラテックス凝集法 [/F]
p-Antineutrophil Cytoplasmic Autoantibodies|抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体/核周囲型抗好中球細胞質抗体/MPO-ANCA/P-ANCA [/S]
Ristocetin Cofactor [/P]
Soluble E-Selectin|可溶性E-セレクチン/可溶性CD62E/可溶性ELAM-1 [/S]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S, /U]
von Willebrand Factor|フォンウィルブランド因子活性/リストセチン・コファクター活性 [/P]
von Willebrand Factor Antigen|第VIII因子様抗原/第VIII因子関連抗原/フォンウィルブランド因子抗原量 [/P]
関連する検査の読み方 【CBC】
白血球軽度増加、時に好酸球増加を認める。血小板は減少することがある。
【IgA】
半数の症例で高値になる。
【補体価】
基準範囲内である。
【凝固系検査】
血小板の減少が見られることがあるが、基本的な血小板機能、凝固系検査に異常を認めない。
【尿検査】
腎障害を併発すると血尿、蛋白尿、赤血球円柱がみられる。
【腎機能検査】
腎機能の低下が認められたら、腎生検を行う。その結果は予後の推定に有用である。
【生検】
確定診断は皮膚の生検で、血管壁のIgAによる白血球破砕性血管炎を証明する。
検体検査以外の検査計画 消化管内視鏡検査

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