疾患解説
フリガナ | ヤクシン |
別名 | 薬剤性皮膚炎 |
臓器区分 | 中毒・環境要因性疾患 |
英疾患名 | Drug Eruption |
ICD10 | L27.0 |
疾患の概念 | 薬剤投与により引き起こされる皮膚・粘膜の病変で、多彩な臨床像を呈する。薬剤特異的T細胞の活性化によるアレルギー性(B型薬物反応)と薬剤自体の薬理学的作用による非アレルギー性(A型薬物反応)に分けられる。このほかに、以前はアナフィラキシー様反応と呼ばれた偽アレルギー反応がある。薬疹は、薬剤が引き起こす皮膚反応で、代表的疾患としてスティーブンス-ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、過敏症症候群、血清病、剥脱性皮膚炎、血管性浮腫、アナフィラキシー、薬剤誘発性血管炎などがある。薬剤はまた、脱毛、扁平苔癬、結節性紅斑、色素病変、全身性エリテマトーデス、光過敏反応、天疱瘡、類天疱瘡に関与することもある。 |
診断の手掛 | 1.薬剤投与後に発疹(皮疹、粘膜疹)が発生 2.同一または同類薬剤により同様の発疹が誘発される 3.同一または同類薬剤により同様の発疹の既往がある。 1+2or3なら診断が確定する。注意すべき薬剤はペニシリン、非ステロイド系抗炎症剤、放射線造影剤、抗痙攣薬、スルフォンアミド系薬物、癌化学療法剤、グルココルチコイド、サイトカイン、抗マラリア薬、金製剤である。 |
主訴 |
壊死|Necrosis 関節腫脹|Articular swelling 紅斑|Erythema/Rubedo 紫斑|Purpura 出血傾向|Bleeding tendency/Hemorrhagic diathesis ショック|Shock 水疱|Bulla/Blister 粘膜疹|Enanthema 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 皮疹|Eruption/Exanthema 表皮剥離|Exconiation びらん|Erosion 浮腫|Edema/Dropsy 発疹|Eruption/Exanthema リンパ節腫脹|Lymphadenopathy |
鑑別疾患 |
感染症 膠原病 悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma 蕁麻疹|Urticaria ざ瘡様発疹 先端チアノーゼ 皮膚壊死 |
スクリーニング検査 |
Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S] Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S] Eosinophils|好酸球 [/B] |
異常値を示す検査 | Allergen-specific IgE Antibodies|アレルゲン特異IgE/特異的IgE [/S] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 好酸球が1,000/μL以上に増加する。異型リンパ球が出現する。 【アレルゲン特異IgE】 陽性のことがある。 【免疫グロブリン】 IgEが増加することがある。 【リンパ球刺激試験】 II型アレルギー反応の起因薬剤の検索に用いられる。リンパ球にレクチンの一種であるPHAやCon-Aを加え培養すると、リンパ球は活性化され大型の芽球様細胞になる。PHAとCon-AはT細胞を活性化し、PHAはCD4陽性細胞を、Con-AはCD陽性細胞をより強く活性化する。この現象を利用してリンパ球の免疫機能を見るのがリンパ球幼若化検査である。異常値を認めたらリンパ球ポピュレーション比率、免疫グロブリン値・産生能、免疫電気泳動などを行う。 【肝機能検査】 異常値を示す。 【皮膚生検】 診断に有用である。 |
検体検査以外の検査計画 | プリックテスト、皮内反応、パッチテスト |