疾患解説
フリガナ | レットウジョウチュウショウ |
別名 | 広節裂頭条虫感染症 |
臓器区分 | 寄生動物疾患 |
英疾患名 | Diphyllobothriasis |
ICD10 | B70.1 |
疾患の概念 | 裂頭条虫症は、淡水魚に寄生する広節裂頭条虫(Diphyllobothrium latum)による感染症である。この条虫は、最も大型のヒト寄生虫で、最長10mにも達する。感染ケミジンコを摂取した淡水魚の体内で幼虫になり、感染魚の生食でヒトに感染する。マンソン孤虫と共に水中でライフサイクルを有する唯一のヒト寄生虫である。裂頭条虫症は世界中の、特に下水で汚染された低温の湖に生息する。 |
診断の手掛 | 貧血症状を訴える患者で、巨赤芽球性貧血と診断されたら本症の可能性を考える。広節裂頭条虫は、食物中のビタミンB12を奪うためB12欠乏症および巨赤芽球性貧血を引き起こす。 |
主訴 |
イレウス様症状|Ileac symptome 下痢|Diarrhea 貧血症状|Anemic symptom 腹痛|Abdominal pain 腹部不快感|Abdominal discomfort 片節排出|Excretion of strobila |
鑑別疾患 |
ビタミンB12欠乏症|Vitamin B12 Deficiency 巨赤芽球性貧血|Megaloblastic Anemia 悪性貧血|Pernicious Anemia 吸収不良症候群|Malabsorption 盲管症候群 胃切除後症候群|Postgastrectomy Syndrome |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] MCH|平均赤血球ヘモグロビン量 [/B] MCV|平均赤血球容積 [/B] |
異常値を示す検査 | Vitamin B12|ビタミンB12/コバラミン/シアノコバラミン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【血液像】 巨赤芽球性貧血の像を呈する。軽度から中等度の好酸球増加が見られる。 【糞便一般検査】 有蓋卵または幅広の片節を認める。虫卵は1層の卵殻をもち、一端に小蓋が、他端に小突起がある。 【ビタミンB12】 条虫が食物中のビタミンB12を奪うため、巨赤芽球性貧血を発症する。治療効果判定のためビタミンB12を測定する。ビタミンB12はビタミンB複合体の一種でDNA合成に関与している他、抗貧血因子として重要な働きを持っている。肝、卵黄、牛乳などに多量に含まれ、胃壁細胞から分泌される内因子と結合し小腸で吸収される。 |
検体検査以外の検査計画 |