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疾患解説

フリガナ テイケットウショウ
別名 低血糖
臓器区分 代謝性疾患
英疾患名 Hypoglycemia, Unspecified
ICD10 E16.2
疾患の概念 血糖値が45~50mg/dLと生理的な変動幅の下限を超えて低下するため、神経組織の糖不足を引き起こし、自律神経や中枢神経系の機能低下により様々な症状が出現する状態を低血糖症という。症候性低血糖は糖尿病の薬物治療の合併症によるものが最も多く、経口血糖降下薬またはインスリンが関係する。糖尿病治療に無関係な症候性低血糖は稀で、理由として生体の低血糖を代償するための拮抗作用が挙げられる。低血糖の原因のうちインスリンが関与する症例は、インスリンの投与、インスリン分泌促進物質の投与とインスリン分泌腫瘍が挙げられる。
診断の手掛 治療を受けている糖尿病患者が、意識障害、昏睡、けいれん発作、全身倦怠感、めまい、頭痛、錯乱などの中枢神経系症状や発汗異常、不安、動悸、振戦などの自律神経症状を訴えたら本症を強く疑う。脳へのブドウ糖供給不足は、頭痛、霧視、複視、錯乱、発声困難、痙攣発作、昏睡を引き起こす。自律神経症状は血糖値が約60mg/dL以下になると発症するが、中枢神経系症状は血糖値が約50mg/dL以下になると発症する。
主訴 意識障害|Memory impaiment
昏睡|Coma
錯乱|Confusion
振戦|Tremor
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
動悸|Palpitations
発汗異常|Dyshidrosis/Paridrosis
不安|Anxiety
痙攣
鑑別疾患 ACTH欠損症
IGF-2産生腫瘍
アジソン病/急性副腎不全|Addison's Disease/Adrenal Crisis
異所性ホルモン産生腫瘍
インスリノーマ|Insulinoma
下垂体機能低下症
頭蓋内出血
代謝性脳症
ダンピング症候群
糖原病
糖尿病性昏睡
スクリーニング検査 Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S]
異常値を示す検査 C-Peptid [/S]
Glycine|グリシン [/P]
Growth Hormone|成長ホルモン [/P]
Insulin|インスリン [/P]
Insulin-like Growth Factor-I|インスリン様成長因子-1/ソマトメジンC [/S]
Insulin-like Growth Factor-II|インスリン様成長因子-2 [/S]
Insulin-like Growth Factor Binding Protein-3|インスリン様成長因子結合蛋白-3型/IGF結合蛋白-3 [/S]
Proinsulin|プロインスリン [/S]
Prolactin|プロラクチン/乳汁分泌ホルモン [/P]
関連する検査の読み方 【血糖】
一般的には50mg/dL以下になる。
【インスリン】
C-ペプチドに比べ高値なら、インスリン治療中か、インスリン抗体の存在を疑う。IRIは膵ランゲルハンス島β細胞で合成されたプロインスリンからC-ペプチドと共に産生され、血中ブドウ糖による分泌刺激があると血中に放出される。生理的には肝での糖新生抑制、グリコーゲンの合成促進作用を持ち、他にも脂肪合成、コレステロール合成、蛋白合成などを促進する。臨床的には糖尿病の病型分類、病態把握、治療薬選択に用いる。インスリン依存性と非依存性の鑑別はInsulin Index=⊿IRI(μU/mL)÷⊿PG(mg/dL)で0.5以下ならインスリン低分泌と判断する。インスリン抵抗性はHOMA指数を持ちる。HOMA-IR=IRI(μU/mL)×FPG(mg/dL)÷405で3以上はインスリン抵抗性疑い、5以上でインスリン抵抗性とする。
【抗インスリン抗体】
インスリン注射による低血糖症やインスリン自己免疫症候群の診断に有用である。抗インスリン抗体は糖尿病治療に用いたインスリンに対する抗体と、外部からのインスリン投与を受けていない人に出現するインスリン自己抗体の2種がある。インスリン自己抗体は1型糖尿病患者で臨床症状発症以前から検出されることから、自己免疫性1型糖尿病の発症予知マーカーとして用いられる。但し、現時点ではインスリン抗体とインスリン自己抗体を分けて測定することは出来ない
【C-ペプチド】
糖尿病の治療歴がなく、高値ならインスリノーマを疑う。膵β細胞で合成されたプロインスリン1分子はインスリン1分子とC-ペプチド1分子に分解され血中に分泌されるので、CPRの測定によりインスリンの分泌能を推測できる。臨床的にはインスリン抗体の存在やインスリンが投与されている患者で、内因性インスリンの測定が正しく出来ない場合に、インスリンに代わりインスリン分泌状態を見るために測定される。
【プロインスリン】
インスリノーマでは高値になる。プレプロインスリンから作られるプロインスリンはインスリンとC-ペプチド生成の基となる物質で、インスリン分泌の増加を来す負荷が生じると血中に増加する。臨床的にはインスリン分泌の異常増加を来す疾患を疑う場合、すなわち2型糖尿病、Insulinoma、肥満などで測定する。特に、Insulinomaではプロインスリン:インスリン比(正常:0.1~0.2)が増加する。また、家族性プロインスリン血症では、血中IRIとして測定される905以上がプロインスリンであり、確定診断には必須の検査である。
【下垂体-副腎系内分泌機能検査】
異所性ホルモン産生腫瘍の発見に有用である。
【絶食試験】
症状を誘発するために行うので、慎重な観察が欠かせない。
検体検査以外の検査計画 頭部X線検査、CT検査、MRI検査、心電図検査

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