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疾患解説

フリガナ カイチュウショウ
別名
臓器区分 寄生動物疾患
英疾患名 Ascariasis
ICD10 B77.9
疾患の概念 ヒト回虫(Ascaris lumbricoides)による感染症で、虫卵の経口摂取後、約9~12日の感染初期(幼虫の移行期)には肺症状を、この後に消化器症状を呈する疾患である。小児の慢性感染では栄養失調を生じることがある。回虫症は世界で最も流行している腸管の蠕虫感染症である。
診断の手掛 虫卵は十二指腸で孵化し門脈循環系に入り肝臓、心臓を経て肺に移行する。幼虫が肺に入ると咳(空咳)および喘鳴、時に喀血などの呼吸器症状を発症する。この時期には焼け付くような胸骨下の不快感が起こり、この不快感は咳と深く息を吸い込むと悪化する特徴がある。この後、幼虫は気管支から咽頭に至り、嚥下されて小腸に戻り成虫になり1~2年生存し、この間に虫卵を放出する。成虫は少数では消化管症状を起こさないが、多数が寄生すると痙攣性の腹痛、悪心、嘔吐を起こすことがある。小児では中等量の感染でも低栄養を来すことが多い。時には、口腔または直腸から成虫が排出されたことを理由に無症状の患者が受診することがある。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
喀血|Hemoptysis
食欲不振|Anorexia
咳|Cough
喘鳴|Wheeze/Stridor
痰|Sputum
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
腹痛|Abdominal pain
腹部痙攣|Convulsion of abdomen
腹部膨満感|Sense of Abdominal fullness
鑑別疾患 Loeffler症候群
PIE症候群
腸閉塞|Intestinal Obstruction
急性腹症
急性膵炎|Acute Pancreatitis
胆石症|Cholecystolithiasis
急性胆嚢炎|Acute Cholecystitis
急性胆管炎|Acute Cholangitis
肝膿瘍|Liver Abscess
スクリーニング検査 Eosinophils|好酸球 [/B]
Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S]
Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S]
異常値を示す検査 Immunoglobulin E|免疫グロブリンE/非特異的IgE/レアギン抗体 [/S]
関連する検査の読み方 【好酸球】
肺に移行した段階では、30~50%に増加し、約1ヶ月高値が続く。腸に生息する成虫期には増加の程度は軽減する。
【検便】
成熟した雌は一匹あたり一日に最高で240,000の虫卵を生む。また幼弱な雌の感染では虫卵は検出されない。
【喀痰】
肺内移行期に痰から幼虫が検出される。
検体検査以外の検査計画 胸部・腹部X線検査、消化管内視鏡検査、腹部超音波検査、小腸造影検査

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