疾患解説
フリガナ | ジンウニョウカンガン |
別名 | 悪性腫瘍(腎盂・尿管) |
臓器区分 | 腎・泌尿器疾患 |
英疾患名 | Cancer of Urinary Tract |
ICD10 |
腎盂癌:C65 尿管癌:C66 |
疾患の概念 | 腎盂と尿管の癌の90%は移行上皮癌で、全ての腎腫瘍の10%を占める。危険因子としては喫煙、フェナセチンの乱用、シクロホスファミドの長期使用、化学物質の暴露、慢性刺激が報告されている。 |
診断の手掛 | 無症候性の肉眼的血尿を訴える患者を診たら本症を疑う。疼痛は尿管の閉塞が原因であることが多い、また膀胱癌との合併も多いので排尿障害や頻尿などの膀胱症状にも注意する。閉塞に仙痛が伴う場合があり、稀ではあるが、腫瘍により水腎症になることもある。 |
主訴 |
血尿|Hematuria 疼痛|Pain/Ache 排尿障害|Urinary disturbance/Dysuria 頻尿|Pollakiuria/Pollakisuria |
鑑別疾患 |
膀胱癌|Bladder Carcinoma 閉塞性尿路疾患 腎細胞癌|Renal Cell Carcinoma(RCC) 尿管結石 水腎症|Hydronephrosis Wilms腫瘍 腎血管筋脂肪腫 腎嚢胞 |
スクリーニング検査 |
Calcium|カルシウム [/S] CEA|癌胎児性抗原 [/S] |
異常値を示す検査 |
Nuclear Matrix Protein 22|核マトリックス蛋白22 [/U] Parathyroid Hormone|副甲状腺ホルモン [/P] |
関連する検査の読み方 |
【尿沈渣】 異型細胞(尿路上皮癌細胞)を認める。 【核マトリックス蛋白質22】 尿中の値が尿路上皮癌で高値になる。NMP22は核マトリックス蛋白質を免疫原として作られたモノクローナル抗体302-22と302-18によつて認識される核蛋白質で、本体は核内のNuMA蛋白(nuclear mitotic apparatus protein)で細胞分裂の制御に関与している。癌細胞では正常細胞に比べ発現量が増加するが、尿路上皮癌細胞が崩壊すると核内のマトリックス蛋白が可溶性になって尿中に出現する。臨床的には尿沈渣に赤血球が認められ、膀胱癌が疑われる場合のスクリーニング検査として用いられる。NMP22は血尿を認める腎・尿路疾患、膀胱炎、術後などで陽性となるので注意が必要である。 |
検体検査以外の検査計画 | 造影CT検査、腹部CT検査、骨盤CT検査、超音波検査、尿管鏡検査、腎盂鏡検査 |