疾患解説
フリガナ | スイジンショウ |
別名 | 感染性水腎症 |
臓器区分 | 腎・泌尿器疾患 |
英疾患名 | Hydronephrosis |
ICD10 | N13.3 |
疾患の概念 | 尿路の通過障害により腎盂内圧が上昇し、腎杯が拡張した状態で、高度化、長期化すると腎実質が菲薄化し機能低下を引き起こす。先天性と後天性に分けられるが、後天性では尿路結石症が原因疾患としての頻度が高い。 |
診断の手掛 | 側腹部痛、腰痛、発熱、血尿、排尿障害、腹部腫瘤を訴える患者を診たら本症を疑う。疼痛はT11からT12にかけての皮膚分節に放散する特徴がある。 |
主訴 |
血尿|Hematuria 側腹部痛|Lateroabdominal pain 鼠蹊部放散痛|Inguinal radiating pain 排尿障害|Urinary disturbance/Dysuria 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 腹痛|Abdominal pain 腹部腫瘤|Abdominal tumor/Abdominal mass 腰痛|Low back pain/Lumbago 肋骨脊柱角殴打痛|Percussion tenderness of costovertebral angle |
鑑別疾患 |
腎盂腎炎 腎外腎盂 傍腎盂嚢胞 |
スクリーニング検査 |
Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/U] Creatinine|クレアチニン [/S] C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S] Erythrocytes|赤血球数 [/B] Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B] Magnesium|マグネシウム [/S] Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S] |
異常値を示す検査 |
eGFR|推算GFR [/Specimen] GFR|糸球体濾過量 [/Specimen] Osmolality|浸透圧 [/U] Volume [/RBC] |
関連する検査の読み方 |
【eGFR】 低値である。eGFRは日本腎臓学会が示したCKDガイドラインに記載されているGFRの算定法で、イヌリンクリアランスで求めたGFRと酵素法で測定した血清クレアチニン値から計算式で求められる。eGFRは簡便な方法であるが、スクリーニングや疫学研究を目的に作成されているので、実際の臨床の場で個々の患者を評価するためにはイヌリンクリアランスやクレアチニンクリアランスを用いることが薦められている。臨床的には糸球体濾過量の推定とCKDの病期分類に用いる。個々の患者評価:eGFR=0.719×Ccr(実測クレアチニンクリアランス。薬物投与調節:eGFR=0.719×Cin(実測イヌリンクリアランス) 【GFR】 低下する。イヌリンは生体内で合成されず、糸球体で100%濾過され尿細管で再吸収されないことから、Cinは真の糸球体濾過量(GFR)を表す最良のマーカーとされている。 【尿一般検査】 沈渣、比重、pH、潜血反応などに異常を認めることがある。尿量は著しく減少し無尿になる。 【浸透圧】 尿浸透圧は両側性水腎症では低下する。 【Whitaker試験】 腎盂・尿管内圧の増加を確認する。 |
検体検査以外の検査計画 | 腹部超音波断層検査、二重ドップラ超音波検査、経静脈尿路造影検査、腎盂造影検査、利尿レノグラム、Whitaker試験、腎盂尿管鏡 |