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疾患解説

フリガナ ニョウドウエン
別名
臓器区分 腎・泌尿器疾患
英疾患名 Urethritis
ICD10 N34.9
疾患の概念 微生物感染による尿道の炎症で、臨床経過で急性と慢性、感染部位で前部、後部、球部に分けられる。原因菌は1991年までは淋菌、1992年以降はChlamydia trachomatisが最多である。
診断の手掛 頻尿、尿意切迫、排尿障害、尿道分泌物(排膿)が認められたら本症を疑う。STD男性尿道炎は、感染の原因となる性交渉が必ず存在するので、慎重に病歴を聞く必要がある。淋菌性は化膿性分泌物、それ以外の細菌による場合は白みがかった粘液性分泌物の傾向がある。
主訴 尿意切迫|Urinary urgency
尿道そう痒感|Itching sensation of uretha
排尿障害|Urinary disturbance/Dysuria
排尿痛|Scalding/Micturition pain
排膿|Drainage
頻尿|Pollakiuria/Pollakisuria
鑑別疾患 Reiter症候群
淋菌性尿道炎
淋疾後尿道炎
トリコモナス症
クラミジアトラコマティス症
間質性膀胱炎
スクリーニング検査 Calcium|カルシウム [/S]
Chloride|クロール [/S]
Creatinine|クレアチニン [/S]
Leukocytes|白血球数 [/U]
Phosphate|無機リン [/S]
Potassium|カリウム [/S]
Sodium|ナトリウム [/S]
Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S]
異常値を示す検査 Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S]
Leukocytes,Nitrate(Urine)|亜硝酸塩試験/尿白血球反応/尿エステラーゼ反応 [Positive/U]
関連する検査の読み方 【尿一般検査】
クラミジア感染では沈渣に細菌は認められず、強拡大1視野当たり10個以上の白血球が見られる。
【尿中細菌】
治療開始前に2回連続して採取した尿で、1,000,000/mLを証明する。
【亜硝酸塩試験】
尿中に排泄される蛋白質由来の硝酸塩は尿中細菌の持つ亜硝酸還元酵素の働きで亜硝酸塩になる。この亜硝酸塩をGriess反応で検出する方法を尿亜硝酸試験と呼ぶ。主として大腸菌などのグラム陰性桿菌の菌数が10⁵CFU/mL以上で陽性となる。
【尿細菌培養】
グラム染色と培養が陰性なら非淋菌性尿道炎で、50%はクラミジアである。女性は尿道、直腸、子宮頸部の感染を合併している。
【尿多核白血球】
尿道分泌物の塗抹標本で、強拡大1視野あたり4個以上あれば診断が確定する。
【尿道分泌物塗抹染色】
淋菌性尿道炎患者の95%以上で、グラム陰性細胞内双球菌を認める。クラミジアは同定できないので培養する。
【細菌DNA検査】
PCR法で淋菌またはクラミジアのDNAを検索する。
【淋菌抗原】
淋菌感染の迅速診断に有用である。淋菌抗原検査は淋菌菌体表面抗原に対するポリクロナール抗体を検出するもので、培養法に比べ操作が簡単なこと、死菌でも検出出来ることなどの利点がある。ただし、ポリクロナール抗体を使用しているので、淋菌以外のナイセリアの混入があると偽陽性になる。臨床的には男性で尿道炎、前立腺炎、女性で子宮頸管炎、子宮内膜炎、付属器炎、骨盤内感染症を疑う患者は本検査が必要である。
【クラミジア・トラコマティスDNA】
非淋菌性尿道炎の診断に有用である。ヒトに感染するクラミジアはtrachomatisとpsittaciがあり、いずれも宿主の細胞内でしか増殖できない。trachomatisはトラコーマの病原体として分離されたが、現在は性行為感染症(STD)、咽頭炎、心筋炎、肺炎、髄膜脳炎、腹膜炎やReiter症候群などの原因病原体として知られている。臨床的には感染局所の病原体検出が基本であるが、確定診断には特異性の高いPCRやLCRによる核酸同定が必要である。
検体検査以外の検査計画 排泄性尿路造影法、超音波検査、CT検査

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