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疾患解説

フリガナ ビタミンB6ケツボウショウ
別名 ピリドキシン欠乏症
臓器区分 代謝性疾患
英疾患名 Vitamin B6 Deficiency
ICD10 E53.1
疾患の概念 ビタミンB6(ピリドキシン)は殆どの食物に含まれているため、食事による欠乏症は稀である。2次欠乏症は、栄養不良、吸収不良、アルコール依存症、ピリドキシン不活化薬剤(イソニコチン酸ヒドラジド、サイクロセリン、ペニシラミン、ヒドラジン、副腎皮質ホルモン)、過度の喪失、代謝増大(甲状腺機能亢進症)によって発症する。
診断の手掛 ペラグラ様症候、脂漏性皮膚炎、舌炎、口角炎、リンパ球減少症、正球性または小球性貧血、鉄芽球性貧血などを訴える患者を診たら本症を疑う。また、うつ状態、錯乱、痙攣発作が見られることもある。症状は、他のB群欠乏症と同時に認められることも多いので注意する。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
痙攣発作|Seizures/Convulsion/Convulsive seizure
下痢|Diarrhea
錯乱|Confusion
食欲不振|Anorexia
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
貧血症状|Anemic symptom
抑うつ状態|Depressive state
鑑別疾患 アルコール依存症|Alcoholism
栄養不良
吸収不良症候群|Malabsorption
甲状腺機能亢進症|Hyperthyroidism
ペラグラ様症候群
脂漏性皮膚炎
舌炎
口角症
リンパ球減少症
薬剤(抗痙攣薬、イソニアジド、サイクロセリン、ヒドララジン、副腎皮質ホルモン、ペニシラミン)
スクリーニング検査 Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S]
Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S]
異常値を示す検査 4-Pyridoxic Acid [/U]
Cystathionine [/U]
Pyridoxal Phosphate|ビタミンB6/ピリドキサールリン酸 [/S,/RBC]
Pyridoxine|ピリドキシン [/S, /U]
Quinolinic Acid [/U]
関連する検査の読み方 【ピリドキサールリン酸】
20ng/L以下になれば診断が確定する。基準範囲(男性:6.0~40.0ng/mL、女性:4.0~19.0ng/mL)。ビタミンB6はビタミンBの複合体で水溶性である。ウシ肝臓、鶏肉、マグロ、バナナ、豆類に多く含まれるが、生体内でも腸内細菌により生合成される。臨床的には鼻、耳、口周辺の脂漏性皮膚炎、末梢性神経障害、リンパ球減少症、幼児の痙攣、成人の低色素性貧血などで、このビタミンの欠乏を疑う場合に測定する。
【トリプトファン】
欠乏症ではトリプトファン2gを投与すると、24時間に亘り多量のキサンツレン酸が排泄される。欠乏症が無ければ65μmol未満である。トリプトファンは芳香族αアミノ酸で必須アミノ酸である。種々の蛋白質に含まれ、加水分解で破壊される。体内ではセロトニンやメラトニンとなり神経伝達物質やホルモンとしての働きがある。
【リン酸ピリドキサール】
。基準範囲は50ng/mL以上である。
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