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疾患解説

フリガナ リュウザン
別名
臓器区分 妊産婦疾患
英疾患名 Abortion
ICD10 O03.9
疾患の概念 妊娠22週未満で胎児と胎盤が排出され妊娠が終了することで、通常は自然流産を意味する。自然流産が3回以上連続すれば習慣流産と呼ぶ。流産あるいは死産を2回以上反復することを不育症と呼び原因として抗リン脂質抗体症候群が重要である。
診断の手掛 妊娠中に痙攣性の骨盤痛、性器出血、組織の排出を訴えたら本症を疑う。妊娠後期では羊水の流出が初発症状になることもある。
主訴 下腹部痛|Hypogastric pain
骨盤痛|Pelvic pein
性器出血|Genital bleeding
腹痛|Abdominal pain
鑑別疾患 抗リン脂質抗体症候群
異所性妊娠
絨毛性疾患
染色体異常症
スクリーニング検査 Thyroxine (T4)|総サイロキシン/総T4/サイロキシン/チロキシン [/S]
Tri-Iodothyronine (T3)|総トリヨードサイロニン/総T3/トリヨードサイロニン/トリヨードチロニン [/S]
異常値を示す検査 Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
CA 125|CA125 [/S]
Ceruloplasmin|セルロプラスミン/フェロオキシダーゼ [/S]
Copper|銅 [/S]
Granulocyte Elastase|顆粒球エラスターゼ/好中球エラスターゼ [/Specimen]
Homocysteine|ホモシステイン/ホモシスチン/総ホモシステイン [/P]
Human Chorionic Gonadotropin|ヒト絨毛性ゴナドトロピン/絨毛性ゴナドトロピン [/S]
Interleukin-2|インターロイキン-2 [/S]
Malondialdehyde [/S]
Thyroxine Binding Globulin|サイロキシン結合グロブリン/チロキシン結合グロブリン [/S]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S]
関連する検査の読み方 【ヒト絨毛性ゴナドトロピン】
低濃度hCGまたはhCGの低下を示す。hCGは着床した受精卵が発育し絨毛組織ができると多量に分泌されるホルモンで、妊娠初期の卵巣黄体を刺激してプロゲステロンの産生を促し妊娠の維持に重要なホルモンである。排卵後10~14日で血中・尿中に出現し、以後急激に増加して妊娠9~13週には1~100,000mIU/mLに達し、その後漸減していく。臨床的には妊娠の診断と経過観察、流産や子宮外妊娠の診断、絨毛性疾患やhCG産生腫瘍の管理などに有用である。非妊娠時に異常値を示した場合は異所性hCG産生腫瘍の存在を考える。
【膣分泌液中ヒト癌胎児性フィブロネクチン】
陽性者は1週間以内の流産率47%、2週間以内60%である。OFFNは絨毛膜トロホブラスト細胞で産生される胎児膜固有の糖蛋白で、絨毛膜、脱落膜、羊水、胎児血に特異的に存在している。OFFNは妊娠22週以上で卵膜に障害のない妊婦の膣液中には殆ど存在しない。しかし、卵膜の損傷や子宮収縮により卵膜が刺激されると膣液中に漏出してくる。臨床的には流産。早産の予知マーカーとして用いられる。
【子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼ】
高値になる。子宮頸管粘液中の好中球から放出された顆粒球エラスターゼを測定し感染の有無を判定する。子宮頸管部の炎症ではCRPより有意なこと、絨毛羊膜炎では頸管からの上行感染が先行することなどから、頸管粘液の炎症マーカー検査は早期破水や切迫流産の把握に重要である。また、破水の診断と予測には癌胎児性フィブロネクチンが測定されるが、本検査は早期破水の原因の一つである絨毛羊膜炎の活動性が把握できる。
【第XIII因子活性】
習慣性流産の原因検索に必要である。
【抗カルジオリピン抗体】
抗リン脂質抗体症候群の診断に有用である。抗リン脂質抗体にはループスアンチコアグラント(LA)、抗カルジオリピン抗体が含まれる。1986年に動・静脈血栓、習慣性流産、血小板減少などがあり、この抗体が陽性の症例を抗リン脂質抗体症候群とし、このような疾患での抗体測定の重要性が提唱された。臨床的には自己免疫疾患、動・静脈血栓、脳梗塞、一過性脳虚血、脊髄炎、肺梗塞、習慣性流産、子宮内胎児死亡、血小板減少などを訴える患者を見た場合に積極的に測定する。LAの存在はAPTTのようなリン脂質依存性凝固時間の延長で疑われる。
【ヒト胎盤性ラクトゲン】
低値になる。hPLは胎児-胎盤系で特異的に産生されるポリペプチドホルモンで、胎盤で合成される蛋白の7~10%を占めている。生理学的には母体の糖質と脂質代謝を調節し母体にエネルギーを供給している。臨床的には生物学的半減期が約30分と短いことから、胎盤機能低下後短時間で血中濃度が低下することを利用し胎盤機能の推定に用いる。
【染色体検査】
Gバンド法により判定され、不育症の夫婦の5%前後に相互転座などが認められる。
検体検査以外の検査計画 子宮卵管造影検査、MRI検査、超音波検査

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