疾患解説
フリガナ | ベリリウムショウ |
別名 | ベリリウム中毒症 |
臓器区分 | 呼吸器疾患 |
英疾患名 | Berylliosis |
ICD10 | J63.2 |
疾患の概念 | ベリリウムの塵、ヒューム、ガス、粉塵の吸入が原因で、急性ベリリウム症と慢性ベリリウム症を発症するが、急性ベリリウム症は、肺実質のびまん性炎症性浸潤および非特異的な肺胞内肺水腫を引き起こす化学性肺炎であるが、現在では稀な疾患である。慢性ベリリウム症は肺、胸腔内リンパ節、皮膚に肉芽腫を形成する。本症は細胞媒介性の過敏症で、他の多くの塵肺症とは異なる。IV型アレルギー反応により、ベリリウムやその化合物がハプテンとなり、蛋白などに結合し、T細胞を活性化し、ベリリウム特異的ヘルパー・インデューサーT細胞の増殖による肺胞炎とされている。慢性ベリリウム症の典型的な病理学的所見は、肺、肺門および縦隔リンパ節のびまん性肉芽腫性反応で、組織学的には、サルコイドーシスと区別が出来ない。 |
診断の手掛 | 合金、セラミック、ハイテク電子工学、蛍光灯などベリリウム、ベリリウム合金を扱う作業の従事者が、息切れ、呼吸困難、乾性咳、体重減少を訴えたら本症を疑う。慢性ベリリウム症の患者は、潜行性に進行する労作時呼吸困難、咳嗽,胸痛、体重減少、盗汗、および易疲労感を訴える。これ等の症状は、最初の曝露から数カ月内に出現することもあれば、曝露停止後、40年以上経過して出現することもあるので注意する。 |
主訴 |
息切れ|Shortness of breath/Breathlessness 易疲労感|Fatigue 乾性咳|Dry cough 胸痛|Chest pain 呼吸困難|Dyspnea 体重減少|Weight loss 寝汗|Night sweats |
鑑別疾患 | サルコイドーシス|Sarcoidosis |
スクリーニング検査 |
Calcium|カルシウム [/S] ESR|赤血球沈降速度 [/B] Erythrocytes|赤血球数 [/B] γ-Globulin|γ-グロブリン [/S] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B,/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B,/B] |
異常値を示す検査 |
Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S] Carbon Dioxide Partial Pressure|動脈血CO2分圧/炭酸ガス分圧/CO2分圧/PCO2/PaCO2 [/B] Oxygen Partial Pressure|動脈血O2分圧/酸素分圧/O2分圧/PO2 [/B] Oxygen Saturation|酸素飽和度/O2飽和度 [/B] |
関連する検査の読み方 |
【Beryllium Lymphocyte Proliferation Test】 血液又はBAL液を用いたBeLPTは極めて感度と特異度が高く、サルコイドーシスや他のびまん性肺疾患との鑑別に有用である。 【生検】 ベリリウムが検出されれば確定診断となる。 【HLA-DPB1 Glu69】 高値になる。 |
検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査、呼吸機能検査 |