疾患解説
フリガナ | ホウシンジョウヒフエン |
別名 | ジューリング疱疹状皮膚炎 |
臓器区分 | 皮膚疾患 |
英疾患名 | Dermatitis Herpetiformis |
ICD10 | L13.0 |
疾患の概念 | 自己免疫が原因の皮膚疾患で、そう痒の強い水疱、丘疹、蕁麻疹様病変が肘、膝、仙骨部、臀部、後頭部の伸側面に対称性に集まる特徴がある。若年成人に発症することが多いが、小児や高齢者に発症することもあり、アジア人や黒人には少ない。この疾患は、セリアック病が患者の75~90%と血縁者の一部に見られる。本疾患の患者は、甲状腺疾患、悪性貧血、糖尿病および小腸リンパ腫の発症率が高い。 |
診断の手掛 | 30~40歳代の患者が、肘、膝、仙骨部、臀部、後頭部の伸側面に徐々に発生する、痒みの強い丘疹、水泡、蕁麻疹様病変を訴えたら本症を疑う。発症は急性のこともあれば、緩徐なこともある。小水疱、丘疹、蕁麻疹様病変が、肘関節および膝関節伸側、仙骨部、殿部、ならびに後頭部に左右対称に見られる。病変部は、痒みと熱感を伴うが、痒みが強く、皮膚が脆弱なため、小水疱はすぐに破れるので、破れていない小水疱を見つけることが難しい場合も多い。 |
主訴 |
かゆみ|Itching 丘疹|Papule 紅斑|Erythema/Rubedo 水疱|Bulla/Blister |
鑑別疾患 |
色素性痒疹 水疱性類天疱瘡|Bullous Pemphigoid セリアック病|Celiac Disease 線状IgA水疱性皮膚症 先天性表皮水疱症 天疱瘡 類天疱瘡 |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S] Monocytes|単球 [/B] Neutrophils|好中球 [/B] |
異常値を示す検査 |
Fat|脂肪(糞便) [/Feces] HLA Antigens|HLA抗原 [Present/B] |
関連する検査の読み方 |
【皮膚生検】 真皮乳頭の先端にIgAの沈着が認められれば、診断は確定する。 【抗基底膜IgA抗体】 皮膚生検では検出されるが、血清では陰性である。 【抗TG3抗体】 IgAがTG3と結合し抗体を産生する。ELISA法で陽性となる。セリアック病患者では発病初期にTG2IgA抗体が血清中に検出される。TG3は腸でも産生されるためエピトープ・スプレディングにより抗TG3IgA抗体が産生された症例では、疱疹状皮膚炎が発症するとされている。 |
検体検査以外の検査計画 |