疾患解説
フリガナ | スイトウショウ |
別名 | |
臓器区分 | 神経・筋疾患 |
英疾患名 | Hydrocephalus |
ICD10 | G91.9 |
疾患の概念 | 過剰な脳脊髄液により脳室が拡大した状態で、新生児における頭囲拡大の原因としては最も多く見られるもので、泉門膨隆が生じる。脳脊髄液流路の閉塞による閉塞性水頭症と吸収障害による交通性水頭症がある。閉塞が最も起こりやすい部位はシルビウス水道であるが、時に第4脳室の流出路も閉塞を起こす。閉塞性水水頭症は、過剰な量の髄液が貯留した状態で、原因で最も頻度の高いのは、中脳水道狭窄症、Dandy-Walker奇形、キャリアII型奇形である。吸収障害は、髄膜の炎症で引き起こされるが、くも膜下腔の感染または出血に続発し、分娩の合併症である脳室内またはくも膜下出血が原因である。 |
診断の手掛 | 出生前の超音波検査で診断されることもあるが、出生後は頭囲の増大が見られたら本症を疑う。乳児期に見られる症状は、頭蓋内圧亢進の状態にもよるが、易刺激性、かん高い泣き声、嘔吐、嗜眠、斜視、泉門膨隆などである。年長の小児は、頭痛、視力低下またはその両方を訴える。乳頭浮腫は頭蓋内圧亢進の後期の徴候のため、認められない場合でも水頭症を除外することはできない。 |
主訴 |
筋硬直|Muscle stiffness/Stiffness of muscle 泉門膨隆|Bulging of fontanelle 頭囲拡大|Enlargement of head circumference 尿意切迫|Urinary urgency 尿失禁|Urinary incontinence 認知症様症状|Dementia-like symptom 頻尿|Pollakiuria/Pollakisuria 歩行障害|Gait disturbance |
鑑別疾患 |
脳炎|Encephalitis 髄膜炎|Meningitis 脳腫瘍|Cerebral Tumor 脳内出血|Cerebral Hemorrhage X連鎖性遺伝性水頭症 Dandy-Walker症候群 Arnord-Chiari奇形 全前脳胞症 |
スクリーニング検査 | Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/CSF] |
異常値を示す検査 |
Amyloid β-Protein|アミロイドβ蛋白 [/CSF] Amyloid β-Protein Precursor|アミロイドβ蛋白質前駆体 [/CSF] α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/CSF] |
関連する検査の読み方 |
【5-HIAA】 髄液中の値は中等度に増加することがある。脳内のセロトニンは抑制性神経伝達物質として作用しており、髄液中の5-HIAA値は中枢神経系のセロトニン作動性ニューロンの活動性の指標として測定される。 |
検体検査以外の検査計画 | 頭部単純X線検査、眼底検査、頭部CT検査、頭部MRI検査、胎児超音波検査、脳波検査 |