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疾患解説

フリガナ ノウナイシュッケツ
別名 頭蓋内出血
脳血管障害
臓器区分 神経・筋疾患
英疾患名 Cerebral Hemorrhage
ICD10 I61.9
疾患の概念 脳動脈の破綻により、脳実質内に出血を来した状態で、60~70歳代の男性に好発する。原因の80%は高血圧で、他には動静脈奇形、動脈瘤破裂、腫瘍からの出血などがある。殆どの脳内出血は、基底核、大脳皮質、小脳または橋に発生するが、脳幹の他の部位または中脳でも起こりうる。脳内出血は、慢性的な高血圧により脆弱化した細い血管の破裂が原因である。出血は、通常、大きく単発性で、壊滅的な影響をもたらす。動脈硬性脳内出血の危険因子としては、喫煙、肥満や飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・カロリーが高い食事などがある。比較的頻度の低い脳内出血の原因としては、先天性動脈瘤、動静脈奇形、血管奇形、外傷性脳損傷、感染性動脈瘤、出血性梗塞、原発性または転移性脳腫瘍がある。また、基底核外、大脳皮質内の血腫は、脳動脈へのアミロイド沈着による脳アミロイド血管症に起因し、主として高齢者で発症する。出血により漏出した血液は腫瘤となり、脳組織を圧迫するため神経機能障害を引き起こし、大きな血腫は頭蓋内圧を上昇させる。
診断の手掛 急性に発症し数時間で進行する頭痛、悪心、嘔吐、意識障害を訴える患者を診たら本症を疑う。症状はしばしば日中の活動時に突然の頭痛として起り、数分間の意識消失を伴う。しかし、高齢者では頭痛が軽度か全く無いこともあるので注意する。その他の症状として、悪心、嘔吐、せん妄が見られる。神経脱落症状は、突然出現して進行性である。大出血が大脳半球で発生した場合は不全片麻痺が生じ、後頭蓋窩で発生した場合は小脳または脳幹の機能障害が生じる。大出血は、約半数の患者で数日以内に致死的となるが、生存した場合は、漏出した血液が再吸収されるにつれ意識が回復し、神経脱落症状は次第に消退する。診断は、同様な症状を示す、くも膜下出血、てんかん発作、低血糖を頭に入れて進める。
主訴 意識障害|Memory impaiment
運動麻痺|Motor paralysis
嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
片麻痺|Hemiplegia
痙攣発作|Seizures/Convulsion/Convulsive seizure
言語障害|Language disorder/Allophasis
構音障害|Dysarthria
呼吸困難|Dyspnea
視野障害|Disturbance in visual field
頭痛|Headache/Cephalalgia
知覚障害|Esthesia disorder/Sensitivity disorder
歩行障害|Gait disturbance
めまい|Dizziness
鑑別疾患 脳梗塞|Cerebral Infarction
くも膜下出血|Subarachnoid Hemorrhage
脳腫瘍|Cerebral Tumor
脳膿瘍|Brain Abscess
硬膜下血腫
脳炎|Encephalitis
一過性脳虚血発作|Transient Ischemic Attack(TIA)
てんかん|Epilepsy
低血糖症|Hypoglycemia, Unspecified
肝性脳症|Hepatic Encephalopathy
ヒステリー
Adams-Stokes症候群
薬物中毒
スクリーニング検査 Albumin:Globulin Ratio|アルブミン:グロブリン比 [/S]
Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S]
Eosinophils|好酸球 [/B]
Erythrocytes|赤血球数 [/CSF]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Fibrinogen|フィブリノゲン/凝固第I因子 [/P]
GFR|糸球体濾過量 [/U]
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S, /U]
HDL-Cholesterol|HDL-コレステロール/高比重リポ蛋白コレステロール [/S]
Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/CSF, /S]
Leukocytes|白血球数 [/B, /CSF]
Monocytes|単球 [/CSF]
Neutrophils|好中球 [/B]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/CSF]
Sodium|ナトリウム [/S, /U]
Uric Acid|尿酸 [/CSF, /S, /U]
異常値を示す検査 Albumin:Globulin Ratio|アルブミン:グロブリン比 [/S]
Anti-Interleukin-10 Autoantibodies [/CSF]
Anti-Interleukin-4 Autoantibodies [/CSF, /S]
Anti-Tumor Necrosis Factor-α Autoantibodies [/CSF, /S]
Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
Antiphospholipid Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
Antithrombin III|アンチトロンビンIII/アンチトロンビン [/P]
Arginine Vasopressin|アルギニンバゾプレッシン/抗利尿ホルモン/バゾプレシン [/P]
C4b-Binding Protein [/S]
Carnosinase [/S]
D-Dimer|Dダイマー/フィブリン分解産物Dダイマー [/P]
Endothelin-1|エンドセリン [/P]
Epinephrine|カテコールアミン総 [/P]
Fibrinopeptide A|フィブリノペプタイドA [/P]
Glial Fibrillary Acidic Protein [/CSF]
Homocysteine|ホモシステイン/ホモシスチン/総ホモシステイン [/P]
Interleukin-1 Receptor Antagonist [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/S]
Leukotriene B4|ロイコトリエンB4 [/B]
Lipoprotein Lp (a)|リポ蛋白(a)/リポプロテイン(a) [/S, /S]
Neuron-specific Enolase|神経特異エノラーゼ [/S]
Neutrophil Gelatinase-associated Lipocalcin [/S]
Neutrophil Proteinase 4 [/S]
Norepinephrine|カテコールアミン総 [/P]
Occult Blood|潜血反応(便)/グアヤック法/o-トリジン法/ラテックス凝集法 [/CSF]
Oligoclonal Banding|オリゴクローナルバンド [/CSF]
Plasminogen|プラスミノゲン活性 [/CSF, /P]
Plasminogen Activator Inhibitor-1|プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1 [/P]
Platelet Activating Factor|血小板活性化因子 [/S]
Platelet Activating Factor-like Lipids [/S]
Protein C|プロテインC/プロテインC抗原量 [/P]
Protein S|プロテインS/プロテインS抗原量 [/P]
Prothrombin Fragment 1,2|プロトロンビンフラグメント1+2 [/P]
S-100 Protein|S100蛋白質 [/CSF, /S]
Soluble Tumor Necrosis Factor Receptor-I|可溶性腫瘍壊死因子レセプター-I [/S]
Thrombin Antithrombin III Complex|トロンビン・アンチトロンビンIII複合体/トロンビン・アンチトロンビン複合体/TATテスト [/P]
Tissue Plasminogen Activator|組織プラスミノゲンアクチベータ [/P]
α1-Acid Glycoprotein|α1-酸性糖蛋白/オロソムコイド/α1アシドグリコプロテイン [/S]
α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/CSF, /S]
α1-Antitrypsin|α1-アンチトリプシン [/S]
α1-Microglobulin|α1-ミクログロブリン/α1-マイクログロブリン [/CSF]
α2-Plasmin Inhibitor-Plasmin Complex|α2-プラスミンインヒビター-プラスミン複合体/プラスミンインヒビターアンチプラスミン [/P]
関連する検査の読み方 【CBC】
白血球が15,000~20,000/μL程度に増加する。
【血糖】
低血糖発作との鑑別のため必ず測定する。
【髄液一般検査】
圧は亢進する。血性であるが穿刺時の出血との鑑別を慎重に行う。
【尿一般検査】
蛋白尿、一過性尿糖、血尿を認めることがある。
【血液像】
好中球が増加する。
【ロイコトリエンB4】
高値になる。LTB4はヒドロラーゼの作用でロイコトリエンA4から産生される多核白血球の化学的遊走機能、リゾゾーム酵素放出、白血球の血管内皮細胞への接着や凝集作用を持つ炎症反応の強力なメディエーターであり多核白血球遊走能の惹起、毛細血管透過性亢進、Tリンパ球の機能抑制などの生物学的作用を持つ。臨床的には脳血管障害や喘息で高値を示すことから、これ等疾患の診断に用いられる。
【フォンウィルブランド因子活性】
高度に増加することがある。第VIII因子様抗原は主として血管内皮細胞で産生されるが、巨核球や血小板にも存在し、第VIII因子の産生刺激と安定化作用がある。血管内皮ではコラーゲンなどと結合し、血小板粘着作用で止血に重要な役割を果たしている。
検体検査以外の検査計画 頭部CT検査、頭部MRI検査、脳血管造影検査

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