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疾患解説

フリガナ セッパクリュウザン
別名
臓器区分 妊産婦疾患
英疾患名 Threatened Abortion
ICD10 O20.0
疾患の概念 妊娠22週未満の時期に不正出血、下腹部痛を訴え、胎児や胎児付属物に異常が認められない状態で、進行すると流産に至る。妊婦の約15%程度に発症し、半数は自然流産となり残り半数は妊娠を継続し出産となる。
診断の手掛 妊娠22週以内に不正出血、子宮収縮による下腹部痛を認めたら本症を疑う。
主訴 下腹部痛|Hypogastric pain
腹痛|Abdominal pain
不正出血|Abnormal bleeding
鑑別疾患 外傷
急性卵管炎
骨盤内炎症性疾患|Pelvic Inflammatory Disease(PID)
子宮外妊娠|Ectopic Pregnancy
卵巣腫瘍茎捻転
スクリーニング検査 Leucine Aminopeptidase|ロイシンアミノペプチダーゼ [/S]
異常値を示す検査 Estriol|エストリオール/E3 [/S,/U]
Granulocyte Elastase in Cervical Mucus [/Cervical Mucus]
Oncofetal Fibronectin|癌胎児性フィブロネクチン/頸管膣分泌液中フィブロネクチイン [/Vaginal Dischrge]
Pregnanediol|プレグナンジオール [/U]
Progesterone|プロゲステロン/プロジェステロン [/P]
β-Chorionic Gonadotropin|ヒト絨毛性ゴナドトロピンβサブユニット [/P, /U]
関連する検査の読み方 【AFP】
妊娠3ヶ月以後に高値になる。
【SP1:HCG-β比】
1.05±0.26以下なら予後不良である。
【エストリオール】
子宮内胎児死亡で低値を示す。E3は非妊娠時には産生量が極めて少ないが、妊娠時特に妊娠中期以降は大量に産生されるホルモンで、女性ホルモンとしての生物活性はエストラジオールの数分の一以下である。妊娠中は胎児副腎で産生されるDHEAが胎盤に移行してE3になるため、このホルモン量は胎児発育と胎盤機能を総合的に反映する。臨床的には胎児と胎盤機能の推定に用いられるが、特異性が低いため臨床的意義には限界があり、日内排泄量の変動が大きいので測定意義は少ない。
【癌胎児性フィブロネクチン】
膣分泌物中では50ng/mL以上に増加する。OFFNは絨毛膜トロホブラスト細胞で産生される胎児膜固有の糖蛋白で、絨毛膜、脱落膜、羊水、胎児血に特異的に存在している。OFFNは妊娠22週以上で卵膜に障害のない妊婦の膣液中には殆ど存在しない。しかし、卵膜の損傷や子宮収縮により卵膜が刺激されると膣液中に漏出してくる。臨床的には流産。早産の予知マーカーとして用いられる。
【顆粒球エラスターゼ】
子宮頸管粘液中の値は高値である。子宮頸管粘液中の好中球から放出された顆粒球エラスターゼを測定し感染の有無を判定する。子宮頸管部の炎症ではCRPより有意なこと、絨毛羊膜炎では頸管からの上行感染が先行することなどから、頸管粘液の炎症マーカー検査は早期破水や切迫流産の把握に重要である。また、破水の診断と予測には癌胎児性フィブロネクチンが測定されるが、本検査は早期破水の原因の一つである絨毛羊膜炎の活動性が把握できる。
【プロゲステロン】
低値である。予後の推定に有用である。P4はプレグネノロンを基質として主として卵巣の黄体と胎盤で産生されるステロイドホルモンで、血中では90%はアルブミンと結合している。血中濃度は卵胞期には低いが排卵後黄体形成と共に増加し、黄体退縮と共に減少する。妊娠が成立すると黄体は妊娠黄体になるため産生が維持され血中濃度は高値を保つが、妊娠10週前後になると産生は胎盤に移行する
検体検査以外の検査計画 超音波検査

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