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疾患解説

フリガナ ナルコレプシー
別名
臓器区分 精神疾患
英疾患名 Hypersomnia
ICD10 G47.4
疾患の概念 過度の日中の眠気が特徴的な疾患で、脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺を伴い、多くの患者では夜間の睡眠障害が見られる。大部分の患者は、既往の疾患なしに青年期または若年成人期に発症し、生涯続くが、寿命には影響しない。原因は不明で、日本、欧州、米国では、発症率は1000人に0.2~1.6人で、有病率に男女差はない。ナルコレプシーは、特定のHLAハプロタイプと密接な関連があり、患者の子供では40倍の発症リスクが認められるので遺伝学的原因が示唆されている。本症は2つの病型があり、1型はヒポクレチン欠損によるナルコレプシーで、突然の感情反応によって誘発される瞬間的な筋力低下または筋麻痺を伴う。2型はヒポクレチンの値が基準範囲内で情動脱力発作を伴わない。
診断の手掛 過度の日中の睡眠発作を訴える患者を診たら本症を疑う。診断基準は①日中睡眠発作(約15分間)に副症状として、②脱力発作(カタプレキシー)、③睡眠麻痺、④就眠幻覚のいずれかを併せ持つとされている。しかし、これらの4つの症状が全てみ見られる患者は全体の約10%であり、夜間の睡眠もしばしば障害され、過眠を訴える患者もいる。
主訴 就眠幻覚|Hallucination of sleep
睡眠障害|Sleep disorder
睡眠発作|Paroxysmal sleep/Narcolepsy
睡眠麻痺|Sleep paralysis
脱力感|Weekness
脱力発作|Atonic seizure
不眠|Insomnia
鑑別疾患 甲状腺機能低下症|Hypothyroidism
高血糖
低血糖症|Hypoglycemia, Unspecified
貧血
尿毒症
高炭酸ガス血症
高Ca血症|Hypercalcemia
肝不全|Hepatic Failure
多発性硬化症|Multiple Sclerosis(MS)
インフルエンザ|Influenza
周期性過眠過食症
特発性過眠症
スクリーニング検査
異常値を示す検査 Interleukin-1β|インターロイキン-1β [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/S]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S]
関連する検査の読み方 【HLA抗原】
カタプレキシーを伴う殆どの患者ではHLA抗原DQB*0106が陽性となる。HLA抗原は経産婦血清中の白血球凝集抗体が認識する糖蛋白として発見された、ヒトの主要組織結合抗原である。たんぱく分解酵素で分解された異物抗原のペプチドと結合しT細胞を活性化させる機能がある。
検体検査以外の検査計画 夜間睡眠ポリグラフ、反復睡眠潜時検査(MSLT)

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