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疾患解説

フリガナ ニューモシスチスハイエン
別名 ニューモシスチス-ジロベジ肺炎
カリニ肺炎
ニューモモシスチス症
臓器区分 呼吸器疾患
英疾患名 Pneumocystis Pneumonia
ICD10 B59
疾患の概念 Pneumocystis jirovecii(旧名P.carinii)が、肺胞内で増殖する疾患で、AIDS患者の約半数はこの肺炎を発症すると云われている。免疫力が低下した個体に感染し、悪性リンパ腫の25%、ATLの10%、SLEの5%は剖検で感染が認められるとの報告もある。エアロゾルによって伝播されるが、免疫能が正常な場合は感染しない。発症するリスクは、HIV感染がありCD4陽性細胞数 200/μL以下の患者、造血器悪性腫瘍の患者、コルチコステロイドを服用している患者、臓器移植レシピエントである。
診断の手掛 P.jiroveciiは自然界に広く分布しており、肺に不顕性感染しているが、宿主の免疫力が低下すると肺胞内で増殖する。臨床的に説明できない肺炎患者、血液悪性疾患の患者、コルチコステロイドを使用している患者に発熱、呼吸困難、乾性咳が見られたら、この疾患を疑いCD4陽性細胞をカウントする。殆どの患者は、発熱、呼吸困難、および乾性咳嗽がみられ、乾性咳嗽は数週間、または数日間にわたり進行し、呼吸困難もよく見られる。
主訴 息切れ|Shortness of breath/Breathlessness
乾性咳|Dry cough
呼吸困難|Dyspnea
咳|Cough
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
多呼吸|Polypnea
痰|Sputum
チアノーゼ|Cyanosis/Cyanopathy
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
頻脈|Tachycardia
鑑別疾患 うっ血性心不全
間質性肺炎
細菌性肺炎
肺真菌症
非結核性抗酸菌症|Non-Tuberculous Mycobacteria(NTM)
肺胞蛋白症|Pulmonary Alveolar Proteinosis
エイズ/HIV感染症|Acquired Immune Deficiency Syndrome(AIDS)
悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma
成人T細胞性白血病|Adult T-cell Leukemia(ATL)
細胞免疫不全
薬剤(コルチコステロイド)
スクリーニング検査 Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S]
Lymphocytes|リンパ球 [/B]
異常値を示す検査 Pneumocystis Jirovecii DNA|ニューモシスチス・イロベチーDNA/ニューモシスチス・カリニDNA [Positive/Specimen]
関連する検査の読み方 【CBC】
リンパ球が減少する。
【LD】
極端な高値を示す。感度が高い検査であるが特異性はない。
【リンパ球サブセット】
CD4陽性細胞が200/μL以下になる。
【β-D-グルカン】
増加することがある。β-D-グルカンは真菌の主要な細胞膜構成成分でカブトガニ血球を凝集させる。この性質を利用し深在性真菌症やニューモシスチス・カリニ肺炎の血液診断に使われる。ただし菌種は同定できない。
【動脈血ガス分析】
PaO₂は1/2~1/3に低下する。PaCO₂は増加することもある。
【Pneumocystis jiroveci DNA】
Pneumocystis jiroveciiはニューモシスチス肺炎の病原体で、日和見感染症として重篤な肺炎を引き起こす。健常人では殆どが不顕性感染であるが、AIDS、悪性リンパ腫、白血病、自己免疫疾患、未熟児、栄養不良児などで免疫機能低下状態にあると発症する。P.jiroveciiの検出はトルイジンブルー染色法や肺の病理組織学的検査があるが、早期診断には不適である。ニューモシスチス イロベチーDNAは高感度で特異性の高い迅速診断法であり、カリニ肺炎の診断、治療効果判定に用いる。
【P.jiroveciの染色】
診断の確定には、起因菌の病理組織学的証明が必要である。ライト-ギムザ染色では嚢子内小体が紫色に染まる。TBO染色では嚢子が括弧状に紫色に染まる。GMS染色では嚢子が括弧状に黒色に染まる。
【喀痰】
喀痰検体は、誘発または気管支鏡検査によって採取する。感度は、誘発喀痰では30~80%、気管支肺胞洗浄を伴う気管支鏡検査では95%を超える。
【気管支肺生検】
P.jiroveciを証明する。
【気管支肺胞洗浄液】
P.jiroveciを証明する。誘発痰検査よりの感度が高い。
【呼吸機能検査】
肺活量、全肺気量が低下し、一酸化炭素拡散能は拡散不全を示す。
検体検査以外の検査計画 胸部X線検査、胸部CT検査、Gaシンチグラフィー、呼吸機能検査
疾患

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