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疾患解説

フリガナ アデノウイルスカンセンショウ
別名
臓器区分 感染性疾患
英疾患名 Adenovirus Infections
ICD10 B77.0
疾患の概念 アデノウイルスは、3つの主要なカプシド抗原(ヘキソン、ペントン、ファイバー)によって分類されるDNAウイルスで、感染は乳児と小児に最も多く、秋から春にかけて流行する。結膜、呼吸器、腸管に感染を起こし発症する。感染経路は、汚染物の接触、空気または水(水泳)などである。呼吸器または胃腸からのウイルスの排泄は、無症候であっても数ヶ月から数年間続くことがある。
診断の手掛 39℃を越す発熱が5日以上続き、咽頭痛、咳、痰、鼻汁、結膜炎などを訴える患者、特に小児を診たら本症を疑う。感染部位により急性熱性咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、肺炎、流行性角結膜炎(8、19、37型)、急性濾胞性結膜炎、乳幼児下痢症(40、41型)や急性出血性膀胱炎(11、21型)などを発症する。流行性角結膜炎は、ときに重症になり、散発的または流行することもある。結膜の炎症は、両側性のことが多く、耳前リンパ節腫脹が生じることもある。全身性の症候は軽度か全くない。流行性角結膜炎は、通常3~4週間以内に軽快するが、角膜病変はそれ以上続くことがある。
主訴 咽頭痛|Pharyngodynia
眼瞼浮腫|Palpebral edema
筋肉痛|Myalgia
血尿|Hematuria
結膜充血|Conjunctival injection
下痢|Diarrhea
頭痛|Headache/Cephalalgia
咳|Cough
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
痰|Sputum
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
鼻汁|Rinorrhea
鑑別疾患 かぜ症候群
急性出血性膀胱炎
咽頭炎
角結膜炎
肺炎|Pneumonia
細気管支炎|Bronchiolitis
髄膜脳炎
胃腸炎|Gastroenteritis
スクリーニング検査 C-Peptide|C-ペプチド [/S]
異常値を示す検査 Adenovirus Antibody|アデノウイルス抗体/抗アデノウイルス抗体 [/S,/CSF]
Adenovirus Antigen|アデノウイルス抗原 [/F]
Adenovirus Type 8 Antibody|アデノウイルス8型抗体/抗アデノウイルス8型抗体 [/S,/CSF]
Amyloid A Protein|血清アミロイドA蛋白/アポSAA/アミロイドA蛋白 [/S]
関連する検査の読み方 【PCR】
体液や組織からのウイルス検出に有用である。
【喀痰・眼分泌物ウイルス抗原】
急性期には、喀痰や眼の分泌物からウイルスが分離できる。糞便や尿からも検出可能である。アデノウイルスは乳幼児の胃腸炎(40、41型)、流行性角結膜炎(4、8、19、37型)、急性出血性結膜炎(11型)と咽頭結膜熱(3型)の原因ウイルスである。冬季に乳幼児が嘔吐と酸臭のある水溶性下痢を発症したらウイルス性胃腸炎を疑い糞便を、また眼感染の場合は角結膜ぬぐい液を検体として検査する。
【アデノウイルス8型抗体】
流行性角結膜炎の診断に用いる。アデノウイルス8型は流行性角結膜炎の原因ウイルスで、学校伝染病に指定されている。この検査はウイルス性結膜炎が疑われる患者に行われ、HI(赤血球凝集反応)を用いてアデノウイルス8型に対する抗体を検出するもので、急性期と回復期の検体(ペア血清)を同時に測定し抗体価が4倍以上の上昇があるかないかをみる。臨床的には8~14日の潜伏期を経て突然眼瞼浮腫、流涙を発症した患者を診たら本症を疑う。
【アデノウイルス抗体】
CF法とNT法によるペア血清で4倍の上昇を認めたら感染と考える。CF法は感染診断に、NT法は血清型の同定に用いる。アデノウイルスは扁桃、アデノイド気道、角結膜、小腸などで増殖し、飛沫感染によって感染部位に限局性の急性疾患を発症する。また、リンパ組織では不顕性の潜在感染を起こす。抗アデノウイルス抗体は上気道炎、角結膜炎、胃腸炎などの症状がアデノウイルス感染によるものか否かを判断する目的で用いる。検査は発病後早期の急性期に採取した第一検体と、発病後2~3週の回復期に採取した第二検体をペアで測定し抗体価が4倍以上の上昇を示していれば、感染既往とする。測定法はCF(ウイルス中和反応)とNT(補体結合反応)があるが、CFはアデノウイルス群共通抗原なので、ウイルス血清型を知りたい場合はNTを用いる。
【ラテックス凝集反応】
ウイルス培養法よりも低感度である。
【予後】
殆どの患者は完治する。乳児および易感染性患者で稀に起こる劇症型を除いては重度の肺炎でも死に至ることはない。
検体検査以外の検査計画

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