疾患解説
フリガナ | ムγグロブリンケケッショウ |
別名 |
X連鎖無γグロブリン血症 ブルトン病 |
臓器区分 | 血液・造血器疾患 |
英疾患名 | Agammaglobulinemia |
ICD10 | D80.9 |
疾患の概念 | この疾患は、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)をコードするX染色体上の遺伝子の変異が原因で、免疫グロブリンの低値または欠如、およびB細胞の欠如を引き起こし、肺炎レンサ球菌やインフルエンザ菌などの莢膜を持つ細菌による反復性の感染症を発症する。また、経口生ポリオワクチン、エコーウイルス、コクサッキーウイルスによる中枢神経系感染症にも罹患し易くなる。BtkはB細胞の成長と成熟に必須な酵素で、Btkの欠如は、全クラスの免疫グロブリンの産生が見られない状態を引き起こす。ただし、T細胞系は正常である。 |
診断の手掛 | 母親からの移行抗体が消失する生後6~18ヶ月頃から易感染性が見られたら本症を疑う。感染は、気道感染が主で気管支炎、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、結膜炎が多い。また、皮膚の再発性の化膿性感染にも注意する。 |
主訴 |
易感染性|Susceptibility to infection 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever |
鑑別疾患 |
胸腺無形成症 重症複合免疫不全症 選択的IgA欠損症 |
スクリーニング検査 |
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B, /P] Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S] Immunoglobulin G|免疫グロブリンG [/S] Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S] Leukocytes|白血球数 [/B, /B] Lymphocytes|リンパ球 [/B] γ-Globulin|γ-グロブリン [/S] |
異常値を示す検査 |
Antibody Titer [/S] CD19|CD19 [/Lymphocytes] Erythrocyte Survival|赤血球寿命 [/RBC] Immunoglobulin D|免疫グロブリンD [/S] Immunoglobulin E|免疫グロブリンE/非特異的IgE/レアギン抗体 [/S] Immunoglobulins|免疫グロブリン [/S] Lymphocyte B-Cells|B細胞 [/B] Plasma Cells|形質細胞 [/Bone Marrow] |
関連する検査の読み方 |
【IgG】 IgGが100mg/dL以下で、フローサイトメトリーによりCD19+細胞が1%未満なら診断が確定する。 【CD19陽性細胞】 B細胞が欠如するためCD19陽性細胞は全リンパ球の1%未満になる。 【出生前診断】 絨毛膜、羊水穿刺、または経皮的臍帯血の変異分析で可能である。 |
検体検査以外の検査計画 |