疾患解説
フリガナ | ランソウケジョウシゲキショウコウグン |
別名 | 排卵機能不全 |
臓器区分 | 女性性器疾患 |
英疾患名 | Ovarian Hyperstimulation Syndrome |
ICD10 | N98.1 |
疾患の概念 | 不妊のための排卵誘発などの卵巣刺激が原因で、卵巣腫大、胸・腹水貯留、電解質バランスの異常、血液濃縮、乏尿などの多彩な臨床症状を呈する症候群で、血管透過性の亢進が原因とされている。 |
診断の手掛 | 腹部膨満感、骨盤腔内の腹水、6cm以上の卵巣腫大を認めたら本症を疑う。また、クロミフェンの副作用として認められることもあるので、服用者には注意する。 |
主訴 |
胸水|Pleural effusion 呼吸困難|Dyspnea 腹水|Ascites 腹部腫瘤|Abdominal tumor/Abdominal mass 腹部膨満感|Sense of Abdominal fullness 乏尿|Oliguria 無尿|Anuria |
鑑別疾患 |
骨盤内炎症性疾患|Pelvic Inflammatory Disease(PID) 子宮外妊娠|Ectopic Pregnancy 虫垂炎 卵管膿瘍 卵巣茎捻転 卵巣嚢腫破裂 卵巣膿瘍 |
スクリーニング検査 |
Creatinine|クレアチニン [/S] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] |
異常値を示す検査 |
Aldosterone|アルドステロン [/P] Angiogenin|アンジオジェニン/血管新生因子 [/AsF, /P] Arginine Vasopressin|アルギニンバゾプレッシン/抗利尿ホルモン/バゾプレシン [/P] Atrial Natriuretic Peptide|心房性Na利尿ペプチド [/P] CA 125|CA125 [/S] Endothelin|エンドセリン [/P] Norepinephrine|カテコールアミン総 [/P] Plasma Renin Activity|活性型レニン/血漿レニン活性/総レニン [/P] Vascular Endothelial Growth Factor|血管内皮増殖因子 [/S] Volume [/U] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 重症例ではヘマトクリット45%以上、白血球は15,000/μL以上である。 【総蛋白】【アルブミン】 総蛋白6.0g/dL以下、アルブミン3g/dL以下なら重症である。 【CA125】 高値のことがある。CA125はヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌株を免疫原とするモノクローナル抗体により認識される糖蛋白で、胎児の体腔上皮や腹膜、心膜、子宮・卵管内膜の発達と関係する。このため、これらの組織に発生する癌で血中濃度が上昇する。臨床的には卵巣癌(97%)、膵癌(50%)で陽性になるが、子宮内膜症(80%)や良性卵巣腫瘍(23%)でも偽陽性を示す。臨床的には卵巣癌の治療効果、再発のモニタリングや子宮内膜症の診断・治療に有用である。CA125は性周期によって変動し、月経期や妊娠初期に高値、閉経後に低値となる。関連するマーカーはSIX、CA72-4、SCC、CA54/61などである。 |
検体検査以外の検査計画 | 超音波断層検査、経膣超音波検査 |