疾患解説
フリガナ | ギツウフウ |
別名 | ピロリン酸Ca二水和物結晶沈着症 |
臓器区分 | 代謝性疾患 |
英疾患名 | Pseudogout |
ICD10 | M11.2 |
疾患の概念 | 結晶誘発性関節炎の一種で、ピロリン酸Ca結晶の関節内、または関節外の沈着により発症し、偽痛風と呼ばれている。原因は不明で手術を含む外傷、アミロイドーシス、粘液水腫、Mg減少症、副甲状腺機能亢進症などと関連することもある。性差はなく加齢に伴い増加し、膝関節、股関節、椎間板線維輪および恥骨結合に無症候性の軟骨石灰化が、70歳台の約3%、90歳台の50%に見られる。 |
診断の手掛 | 痛風に類似した発作が、通常は膝関節やその他の大きな関節に発症したら本症を疑う。関節炎は急性、亜急性、慢性があり複数の関節に軽度の症状が持続することもある。また、患者の約50%に微熱が見られ、時として40℃の高熱を来す場合もある。ヘモクロマトーシス、副甲状腺機能亢進症、糖尿病、甲状腺機能低下症、痛風などの代謝性疾患を伴うことも多いので、注意する。高齢の関節炎患者、特に炎症性関節炎ではCPPD結晶沈着症を疑うべきである。 |
主訴 |
関節痛|Arthralgia 股関節痛|Hip pain 膝関節痛|Gonalgia 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever |
鑑別疾患 |
痛風|Gout 関節リウマチ|Rheumatoid Arthritis 変形性関節症|Osteoarthritis(OA) 感染性関節炎 偽性関節リウマチ 外傷 アミロイドーシス|Amyloidosis 粘液水腫 低Mg血症|Hypomagnesemia 副甲状腺機能亢進症|Hyperparathyroidism ヘモクロマトーシス|Hemochromatosis |
スクリーニング検査 |
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Leukocytes|白血球数 [/Synovial Fluid] |
異常値を示す検査 |
Cells [/Synovial Fluid] Nucleotide Pyrophosphohydrolase, Sedimentable [/Synovial Fluid] Nucleotide Pyrophosphohydrolase, Soluble [/Synovial Fluid] Pyridinoline|ピリジノリン [/Synovial Fluid] |
関連する検査の読み方 |
【関節液】 偏光顕微鏡で菱形または桿状のわずかに複屈折性のピロリン酸Ca結晶が見られれば診断確定。炎症性の性質があり白血球が数千から10万個/μL(平均24,000/μL)に及ぶこともあり、分画では好中球優位である。 【関節液細菌培養】 同時発生の感染性関節炎を、グラム染色および培養で除外する必要がある。 |
検体検査以外の検査計画 | 関節X線検査、MRI検査、骨シンチグラフィー、超音波検査 |