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疾患解説

フリガナ シキュウナイマクショウ
別名
臓器区分 女性性器疾患
英疾患名 Endometriosis
ICD10 N80.9
疾患の概念 子宮内膜またはその類似組織が、子宮内腔以外の組織や臓器に異所性に増生することにより生じる病態で、性成熟期女性の約10%に発症する良性慢性疾患である。子宮内膜症は、通常腹膜や骨盤内臓器の漿膜表面に限局し、多くは卵巣、子宮広間膜、ダグラス窩、仙骨子宮靱帯に生じるが、稀に卵管、小腸や大腸の漿膜表面、尿管、膀胱、腟、子宮頸部、手術創、胸膜、心膜に発生する。疾患の発生と進行には、エストロゲンが不可欠のエストロゲン依存性疾患である。原因は子宮内膜細胞の異所への播種とされている。有病率は報告によって異なるが、全女性の約6~10%、不妊女性の25~50%、慢性骨盤痛を有する女性の75~80%とされている。診断時の平均年齢は、27歳である。子宮内膜症の発症率は、第1度近親者に子宮内膜症患者がいる場合に高いので、遺伝が1つの要因と考えられている。
診断の手掛 症状は内膜の播種の部位によって異なるが、月経困難、性交時疼痛、不妊、排便痛、排尿障害、血尿などを訴える患者を診たら本症を疑う。症状は月経前、月経中および性交中に生じる周期的な骨盤正中部の痛みが典型的で、進行性であることもある。付属器腫瘤および不妊もまた一般的である。発症率は子宮内膜症患者の第一近親者に於いて高いので、遺伝的背景も問診すべきである。また、月経周期が短く(27日未満)で、月経が異常に長い(9日以上)の女性は罹患率が高い。
主訴 下腹部痛|Hypogastric pain
血尿|Hematuria
月経痛|Algomenorrea
性交疼痛|Dyspareunia
排尿障害|Urinary disturbance/Dysuria
排便障害|Excretory disorder
排便痛|Dyschezia
腰痛|Low back pain/Lumbago
鑑別疾患 卵巣癌|Ovarian Cancer
子宮腺筋症
出血性黄体嚢胞
膀胱癌|Bladder Carcinoma
間質性膀胱炎
月経前緊張症
スクリーニング検査 Follicle-stimulating Hormone|黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモン/性腺刺激ホルモン [/P, /P]
異常値を示す検査 Anti-Cardiolipin-β2 Glycoprotein 1 Complex Antibodies|抗カルジオリピン-β2グリコプロテインI複合体抗体 [/S]
Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
Antiphosphatidic Acid Antibodies [/S]
Antiphosphatidylinositol Antibodies [/S]
Antiphosphatidylserine Antibodies [/S]
CA 125|CA125 [/S]
CA 19-9|CA19-9 [/S]
CA 72-4|CA72-4 [/S]
Carbonic Anhydrase Antibodies [/S]
Endometrial Antibodies [/PeF, /S]
Estradiol|エストラジオール/E2 [/P]
Galactosyltransferase Associated With Tumor|癌関連ガラクトース転移酵素 [/S]
Interleukin-4|インターロイキン-4 [/S]
Interleukin-4 mRNA [/S]
Monocyte Chemotactic Protein-1 [/PeF, /S]
Placental Protein 14 [/S]
Progesterone|プロゲステロン/プロジェステロン [/P, /PeF, /P]
関連する検査の読み方 【CA125】
70~80%の患者で増加し、内膜症の程度に比例して増加する。
【CA19-9】
軽度に増加を認めるが頻度はCA125に比べて少ない。
【癌関連ガラクトース転移酵素】
56%の患者で増加する。GATは卵巣癌患者腹水から得た可溶性ガラクトース転移酵素のうち、健常人血清中の可溶性ガラクトース転移酵素と異なる分画として分離された酵素を免疫原として得られた抗体で検出される。臨床的には卵巣癌の50~70%で陽性との報告があり、組織学的には類内膜腺癌や明細胞癌で陽性率が高い傾向がみられる。このため、CA125と併用することで、卵巣癌の診断や内膜症性嚢胞との鑑別に有用とされている。
【膣分泌液中LD】
増加する。
【子宮内膜生検】
確定診断に用いる。
【Endometriosis Fertility Index(EFI)】
FFIは新しい病期分類で、子宮内膜症に関連する不妊を有する女性のために開発された。このIndexは、治療後の妊娠率を予測するのに役立つ。EFIの算出に用いられる因子は、年齢、不妊の年数、妊娠歴、両側の卵管、卵管采および卵巣のleast-function score、またAmerican Society for Reproductive Medicineの子宮内膜症スコアなどがある。
検体検査以外の検査計画 経膣超音波検査、バリウム注腸検査、尿路造影検査、CT検査、MRI検査

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