疾患解説
フリガナ | チュウジエン |
別名 | |
臓器区分 | 耳鼻咽喉疾患 |
英疾患名 | Otitis Media |
ICD10 | H66.9 |
疾患の概念 | 中耳腔に生じた炎症で、急性中耳炎、滲出性中耳炎(漿液性)、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎がある。発症は秋、冬、春に最も多く、発症率は年齢とともに低下する。急性中耳炎は、どの年齢層でも発症するが、3カ月から3歳の間で最も多く、原因菌は、新生児ではグラム陰性桿菌、特に大腸菌および黄色ブドウ球菌である。14歳未満では、肺炎球菌、Moraxella catarrhalisおよびインフルエンザ菌である。14歳以上の患者では、肺炎球菌、A群β溶血性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌である。滲出性中耳炎は、急性中耳炎の続発症で、数週間から数カ月続くことがある。慢性中耳炎は、急性中耳炎、耳管閉塞、機械的外傷、熱傷、または鼓膜チューブ留置後などに発症するが、上気道感染後、入浴や水泳の際に鼓膜穿孔から水が中耳に入った時に増悪することがある。原因菌はグラム陰性桿菌または黄色ブドウ球菌が多く、痛みがなく膿性で、悪臭を伴う耳漏を伴う。 |
診断の手掛 | 耳痛、耳漏、難聴、発熱を訴える患者を診たら本症を疑う。小児の場合は「小児急性中耳炎ガイドライン」を参照する。急性中耳炎の初発症状は耳痛で、しばしば難聴を伴う。乳児では、単にむずかったり、睡眠障害だけの事もある。幼児は、発熱、悪心、嘔吐および下痢がしばしば見られる。滲出性中耳炎は、症状を訴えない場合もあるが、耳閉感、耳の圧迫感または嚥下時にポンという音が聞こえると訴える場合がある。耳痛は稀である。慢性中耳炎は、伝音難聴および耳漏が見られるが、疼痛は稀である。 |
主訴 |
嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 下痢|Diarrhea 耳痛|Otalgia/Ear pain 耳漏|Ear discharge 難聴|Hearing loss 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever |
鑑別疾患 |
悪性腫瘍 悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma 上咽頭癌 髄膜炎|Meningitis 脳膿瘍|Brain Abscess ムコ多糖症|Mucopolysaccharidosis 免疫不全症 ランゲルハンス細胞組織球症|Langerhans Cell Histiocytosis(LCH) |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B] Lymphocytes|リンパ球 [/B] Neutrophils|好中球 [/B, /B] |
異常値を示す検査 | Transforming Growth Factor-β1|形質転換成長因子-β/トランスフォーミング増殖因子-β [/S] |
関連する検査の読み方 |
【耳漏細菌培養】 反復性中耳炎は多剤耐性菌に注意する。 |
検体検査以外の検査計画 | 耳鏡検査、ティンパノグラム、CT検査、MRI検査 |