疾患解説
フリガナ | ランゲルハンスサイボウソシキキュウショウ |
別名 |
ランゲルハンス細胞組織球増加症 ランゲルハンス細胞肉芽腫症 ヒスチオサイトーシスX |
臓器区分 | 血液・造血器疾患 |
英疾患名 | Langerhans Cell Histiocytosis(LCH) |
ICD10 | D76.0 |
疾患の概念 | 主として小児に発症する臓器に局所性またはびまん性の樹状単核細胞の増殖を来す疾患で、致死性の経過を取る。白血病様の疾患であるLetterer-Siwe病から治療可能な好酸球性肉芽腫や中間型のHand-Schueller-Christian病まで幅広い病態を示す。LCHは、異常増殖した樹状細胞が、臓器に浸潤するが、浸潤される臓器は、骨、皮膚、歯、歯肉組織、耳、内分泌器官、肺,肝臓、脾臓、リンパ節、骨髄など広範囲にわたる。浸潤された臓器は、機能障害や腫大臓器の圧迫により影響を受けることがある。約半数の患者では、複数の臓器に浸潤が見られる。 |
診断の手掛 | 原因不明の肺浸潤、骨病変、眼異常、頭蓋・顔面異常がある特に若い患者や脂漏性湿疹、発疹または原因不明の多臓器疾患を持つ2歳未満の患者を診たら本症を疑う。25%の患者で自然気胸が見られる。好酸球性肉芽腫症は、LCH症例の60~80%を占め、殆どが比較的年長の小児および若年成人に見られ、30歳までに発症するが、発症率のピークは5~10歳である。病変が高頻度で見られるのは骨で、疼痛、体重支持不能を訴えることが多く、圧痛や熱感を伴う腫脹も見られる。Hand-Schüller-Christian病は、LCH症例の15~40%を占め、2~5歳の小児に見られる。臨床所見は、頭蓋骨、肋骨、骨盤、肩甲骨または複数の骨への浸潤である。Letterer-Siwe病は、LCH症例の10%を占める全身性疾患で、LCHの中で最も重度である。2歳未満の小児に発症し、頭皮、耳道、腹部、頸部と顔面の間擦部位に鱗片状の脂漏性湿疹様で、紫斑性の発疹が見られる。 |
主訴 |
圧痛|Tenderness 肝腫大|Hepatomegaly 骨痛|Osteodynia/Bone pain/Ostalgia 湿疹|Eczema 腫脹|Swelling/Tumor 食欲不振|Anorexia 視力障害|Blurred vision/Visual impairment 脾腫|Splenomegaly 貧血症状|Anemic symptom 発疹|Eruption/Exanthema リンパ節腫脹|Lymphadenopathy |
鑑別疾患 |
間質性肺疾患 肺気腫|Pulmonary Emphysema 細気管支炎|Bronchiolitis 気管支拡張症|Bronchiectasis サルコイドーシス|Sarcoidosis 急性白血病|Acute Leukemia 悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma 血球貪食症候群|Hemophagocytic Syndrome |
スクリーニング検査 |
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B,/B] Monocytes|単球 [/B] Platelets|血小板 [/B] |
異常値を示す検査 | CD1A|CD1a [/Lymphocytes] |
関連する検査の読み方 |
【生検】 ランゲルハンス細胞の浸潤が顕著である。この細胞は細胞表面上のCD1aおよびS-100を含む免疫組織化学的特徴により同定する。 |
検体検査以外の検査計画 | X線検査、高分解能CT検査 |