疾患解説
フリガナ | テンネントウ |
別名 | 痘瘡 |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Smallpox |
ICD10 | B03 |
疾患の概念 | オルトボックスウイルス属の天然痘ウイルスによる疾患で、常在感染は1980年に根絶されたが、バイオテロによる流行が懸念されている。天然痘は、吸入または直接接触によりヒトからヒトへ伝播する。汚染された衣服または寝具を介した伝播も起こる。発疹出現後、最初の7~10日間が、最も感染力の強い時期で、病変部に痂皮が形成されると、感染力は低下する。発病率は、ワクチン未接種者では85%にもなる。ウイルスは中咽頭または気道粘膜から侵入し、所属リンパ節で増殖した後、ウイルス血症を引き起こし、最終的には、真皮および中咽頭粘膜の小血管に限局するが、ときに脳炎により中枢神経系が侵されることがある。1類感染症なので直ちに届け出する必要がある。 |
診断の手掛 | 成人に水痘様疾患が見られたら本症の可能性を疑う必要がある。水疱に「臍窩」が見られ「臍があるのが天然痘、無いのが水疱痘」とされている。現時点では天然痘ウイルスの抗体保持者は皆無と考えてよい。平均12日間の潜伏期の後、発熱と斑状の発疹が出現し、1~2週かけて典型的な小水疱から膿疱性病変に進む。発疹は顔、口腔粘膜、腕に出現する。丘疹から水疱、膿疱、痂皮形成に進行する発疹は、全ての病変部が同じ段階であるのが特徴である。 |
主訴 |
嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 丘疹|Papule 水疱|Bulla/Blister 頭痛|Headache/Cephalalgia 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 膿疱|Pustule 背部痛|Backache 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 腹痛|Abdominal pain |
鑑別疾患 |
小痘瘡 水疱瘡 天疱瘡 表皮水疱症 疱疹状皮膚炎|Dermatitis Herpetiformis 多形滲出性紅斑 薬疹|Drug Eruption 中毒疹 |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/U] Leukocytes|白血球数 [/B, /B] Lymphocytes|リンパ球 [/B] Neutrophils|好中球 [/B] Platelets|血小板 [/B] |
異常値を示す検査 |
Clotting Time|全血凝固時間 [/B] Complement Fixation [/S] Hemagglutination Inhibition [/S] Metamyelocytes|後骨髄球 [/B] Neutralizing Antibodies [/S] |
関連する検査の読み方 |
【診断】 電子顕微鏡検査、皮膚病変擦過検体のウイルス培養、水泡・膿胞内容のPCR検査で行う。 |
検体検査以外の検査計画 |