疾患解説
フリガナ | ニーマン-ピックビョウ |
別名 | |
臓器区分 | 代謝性疾患 |
英疾患名 | Niemann-Pick Disease |
ICD10 | E75.2 |
疾患の概念 | スフィンゴミエリナーゼ活性欠損により、肝腫大、脾腫や骨髄中に泡沫細胞の出現など、細網細胞にスフィンゴミエリンが蓄積する疾患で、遺伝形式は常染色体劣性でA型とB型に分けられる。A型の患者は、スフィンゴミエリナーゼ活性が正常値の5%未満で、肝・脾腫、発育不全、急速進行性の神経変性を特徴とし、2歳または3歳までに死亡する。B型の患者は、スフィンゴミエリナーゼ活性が正常値の5~10%である。B型はA型よりも臨床的に多様で、肝・脾腫、リンパ節腫脹、汎血球減少が見られる。B型の殆どの患者は、成人期まで生存する。 |
診断の手掛 | 乳幼児期に肝腫大、脾腫が見つかれば本疾患の可能性が高い。A型:乳児期に肝腫大、脾腫、成長不全、急速進行性の神経変性が特徴的で、スフィンゴミエリナーゼ活性は基準範囲の5%以下である。B型:A型よりも臨床症状は多様で、肝腫大、脾腫、リンパ節腫脹、汎血球減少症が見られるが、神経障害は見られない。スフィンゴミエリナーゼ活性は基準範囲の5~10%である。 |
主訴 |
肝腫大|Hepatomegaly 成長障害|Growth disorder 脾腫|Splenomegaly リンパ節腫脹|Lymphadenopathy |
鑑別疾患 |
Gaucher病 汎血球減少症 |
スクリーニング検査 |
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S] Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S] Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/Liver] Erythrocytes|赤血球数 [/B] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B] Platelets|血小板 [/B] |
異常値を示す検査 |
Acid Phosphatase|酸性ホスファターゼ [/S] Cells [/Bone Marrow] Chitotriosidase [/S] Lysosome-associated Membrane Protein-2:Lysosome-associated Membrane Protein-1 Ratio [/S] Sphingomyelinase [/Fibroblasts] Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S] |
関連する検査の読み方 |
【白血球スフィンゴミエリナーゼ定量】 有核細胞中のスフィンゴエリナーゼ活性が、基準範囲の1~10%に低下する。確定診断に有用である。 【骨髄像】 Niemann-Pick細胞が確認される。 【出生前診断】 羊水穿刺、絨毛膜標本採取によって可能である。 |
検体検査以外の検査計画 |