疾患解説
フリガナ | ハンタウイルスハイショウコウグン |
別名 | |
臓器区分 | 呼吸器疾患 |
英疾患名 | Hantavirus Pulmonary Syndrome(HPS) |
ICD10 | B33.4 |
疾患の概念 | シカネズミの糞便中に排泄された、ハンタウイルス属のシンノンブレ型ウイルスによる急性呼吸器感染症で、死亡率は50~70%に達する。北・南米大陸に発生し、我が国では発生の報告はないが、4類感染症に分類されているので診断した医師は即日保健所に届ける義務がある。 |
診断の手掛 | 非特異的なインフルエンザ様症状(1~11日続く発熱、筋痛、倦怠感、胃腸症状)で始まり、急激に非心原性肺浮腫および血圧低下を来した患者を診たら本症を疑う。また、立ち眩み、回転性めまいが見られることがある。通常は低血圧、頻脈、呼吸促迫、低酸素血症などの心肺症状が出てから初めて疾患として認識されることが多い。 |
主訴 |
インフルエンザ様症状|Flu-like symptoms 筋肉痛|Myalgia 血圧低下|Blood pressure decreased 呼吸困難|Dyspnea ショック|Shock 頭痛|Headache/Cephalalgia 咳|Cough 痰|Sputum 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 頻呼吸|Tachypnea 頻脈|Tachycardia |
鑑別疾患 |
インフルエンザ|Influenza 腎症候性出血熱 肺水腫|Pulmonary Edema 韓国出血熱 |
スクリーニング検査 |
Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S] Leukocytes|白血球数 [/B] Platelets|血小板 [/B] |
異常値を示す検査 |
Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S] Lactate|乳酸/ラクテート [/P] Neutrophil Bands|好中球 [/B] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 血小板減少、血液濃縮、白血球増加が見られる。 【血液像】 血小板減少、骨髄系細胞の核左方移動、芽球出現が本症の血液像3徴でほぼ全例にみられる。 【AST】【LD】【アルブミン】 AST,ALT,LDの緩やかな上昇とアルブミン低下が、典型的な検査所見である。 【抗体検査】 急性期のシンノンブレウイルス抗原を用いたIgM抗体検査が最も特異的な検査である。 【PCR】 確定診断は逆転写酵素-PCRによる。 |
検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査、心超音波検査 |