疾患解説
フリガナ | IgA Hサビョウ |
別名 |
IgA H鎖病 α鎖病 Seligmann病 IgA型重鎖病 |
臓器区分 | 血液・造血器疾患 |
英疾患名 | IgA Heavy Chain Disease |
ICD10 | C88.1 |
疾患の概念 | 単クローン性免疫グロブリンH鎖の過剰産生を特徴とする疾患で、IgA H鎖病をα鎖病と呼ぶ。原因は、寄生虫または微生物に対する異常免疫応答と考えられており、腸内寄生虫がよく見られる地中海地方、アシア、南米などに多く見られる。症状は地中海リンパ腫または免疫増殖性小腸疾患と類似している。IgAのFc部分相当蛋白が、単クローン性に増加する疾患で20~30歳代の若年者に多い。多くの症例は、分泌型IgA産生細胞の分布する腸管で増殖する腸管型で、空腸粘膜の絨毛萎縮および形質細胞浸潤が見られ、時に腸間膜リンパ節へ浸潤する。 |
診断の手掛 | 10~30歳で、びまん性の腹部リンパ節腫脹、吸収不良、慢性下痢、腹痛の症状を呈する患者を診たら本症を疑う。貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多および異型リンパ球または形質細胞が見られることがある。肺、縦隔に増殖する呼吸器型もあるので注意する。 |
主訴 |
下痢|Diarrhea 吸収不良|Malabsorption 腹痛|Abdominal pain 慢性下痢|Chronic diarrhea |
鑑別疾患 |
多発性骨髄腫|Multiple Myeloma 原発性マクログロブリン血症|Waldenstrom's Macroglobulinemia 慢性リンパ性白血病|Chronic Lymphocytic Leukemia(CLL) 悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/S] Calcium|カルシウム [/S] Chloride|クロール [/F] Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S] Potassium|カリウム [/F] Sodium|ナトリウム [/F] α2-Globulin|α2-グロブリン [/S] β-Globulin|β-グロブリン [/S] |
異常値を示す検査 | Vitamin B12|ビタミンB12/コバラミン/シアノコバラミン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多および循環血液中に異型リンパ球または形質細胞がみられることがある。 【蛋白分画】 半数の患者は基準範囲内であるが、α2およびβ分画の増加、γ分画の減少が見られ、β領域にやや幅の広い単クローン性ピークが見られる。 【免疫電気泳動】 診断に必要な検査で、α2~β領域に幅広いMピークが見られる。 【尿検査】 H鎖は時に濃縮尿中に見られる。ベンスジョーンズ蛋白は見られない。 |
検体検査以外の検査計画 | 骨X線検査 |