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疾患解説

フリガナ タゾウキフゼン
別名 多臓器不全症候群
臓器区分 救急疾患
英疾患名 Multiple Organ Failure
ICD10 R68.8
疾患の概念 生体に対する侵襲に過大な反応を起こすことにより発症し、機能の維持が出来ない主要臓器または臓器系が2つ以上同時、あるいは経時的に発生する重篤な状態である。発症臓器は心、腎、肺、肝、凝固系、消化管とされている。
診断の手掛 1990年日本救命医療学会が7臓器を対象とした診断基準を纏めたのでそれを参照する。国際的には1994年重症度の評価基準SOFA(sepsis related organ failure assessment)が発表されたが、診断基準ではないので注意する。多臓器障害の定義:(1)心、腎、肺、肝、凝固系、消化管の臓器システムのうち(2)2つ以上の臓器、システムが(3)同時に、あるいは短時間のうちに連続して(4)機能不全に陥った重篤な病態である。
主訴 意識障害|Memory impaiment
黄疸|Jaundice
痙攣発作|Seizures/Convulsion/Convulsive seizure
血圧低下|Blood pressure decreased
下血|Melena
呼吸困難|Dyspnea
紫斑|Purpura
出血傾向|Bleeding tendency/Hemorrhagic diathesis
消化管出血|Gastrointestinal bleeding
心停止|Cardiac arrest
吐血|Hematemesis
不整脈|Arrhythmia
乏尿|Oliguria
無尿|Anuria
鑑別疾患 急性膵炎|Acute Pancreatitis
グラム陰性菌感染症
急性呼吸促迫症候群|Acute Respiratory Distress Syndrome(ARDS)
感染性心内膜炎|Infective Endocarditis
薬剤性肝障害|Drug-induced Liver Injury(DILI)
急性腹膜炎
急性腎不全|Acute Renal Failure
ウイルス性出血熱
全身性炎症反応症候群
熱中症|Heatstroke
スクリーニング検査
異常値を示す検査 Endotoxin|エンドトキシン/内毒素/リポ多糖体/リポポリサッカライド [/S]
Soluble E-Selectin|可溶性E-セレクチン/可溶性CD62E/可溶性ELAM-1 [/S]
Soluble Fas Antigen [/S]
Soluble Fas Ligand Antigen [/S]
Soluble Intercellular Adhesion Molecule-1|可溶性ICAM-1/可溶性CD54/細胞接着分子-1 [/S]
Soluble Vascular Cell Adhesion Molecule-1|可溶性VCAM-1/可溶性CD106/可溶性血管細胞接着分子-1 [/S]
Thrombomodulin|トロンボモジュリン [/P]
Tissue Plasminogen Activator・Plasminogen Activator Inhibitor-1 Complex [/P]
関連する検査の読み方 【t-PA・PAI-1複合体】
基準範囲上限を超える。血管内細胞から放出された組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)は生理的阻止因子のプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)と即時的に結合しt-PA・PAI-複合体を作る。t-PA・PAI-1の量は血中に放出されたt-PA量を反映していると考えられる。臨床的には血管内皮細胞障害や血栓溶解療法のモニタリングに用いる。異常値を認めたら、線溶亢進ではFDP、FDP-Dダイマー、PPICを、また血管内皮細胞障害はPAI-1、TMなどを測定する。
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