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疾患解説

フリガナ ドウミャクソクセンショウ
別名
臓器区分 循環器疾患
英疾患名 Arterial Embolism
ICD10 I74.9
疾患の概念 動脈内に血液が凝固して生じる血栓が発生した状態で、凝固亢進状態が発症の基礎になる。急性の血栓形成は動脈内皮の異常(損傷、炎症、動脈瘤、動脈硬化、膠原病)で生じることが多い。四肢の血栓症の多くは慢性閉塞性動脈疾患に見られる。
診断の手掛 あらゆる血管に血栓の可能性があるが、抗リン脂質抗体症候群、高ホモシステイン血症は血栓症の素因となる。また、手術・外傷直後、長期の寝たきり患者、悪性腫瘍などは危険因子である。
主訴 運動障害|Dyskinesia
しびれ|Numbness
知覚障害|Esthesia disorder/Sensitivity disorder
疼痛|Pain/Ache
鑑別疾患 外傷
動脈硬化症|Arteriosclerosis
Buerger病
梅毒|Syphilis
リンパ管炎
Raynaud病
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/U]
Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S]
Creatinine|クレアチニン [/S]
Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B]
Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S]
異常値を示す検査 Acid Phosphatase|酸性ホスファターゼ [/S]
Myoglobin|ミオグロビン [/U]
関連する検査の読み方 【CBC】
ヘパリン誘発性血小板低下症は、血栓症の素因であるため血小板の測定が必要である。
【クレアチニン】
段階的に増加することが多い。
【葉酸】【ビタミンB12】【ビタミンB6】
葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の欠乏で起こる高ホモシステイン血症は血栓症の素因となる。
【活性化プロテインC抵抗性第V因子】
血栓症のリスクを高める。活性化プロテインCはプロテインSと結合し、第Va因子及び第VIIIa因子を分解することで凝固を抑制する。第V因子に変異が生じると活性化プロテインCによる不活化に対し抵抗性が増加し、結果として血栓形成のリスクが高まる。
【リン脂質抗体】
この抗体の存在すると血栓症の素因となる。リン脂質抗体にはループスアンチコアグラント(LA)、抗カルジオリピン抗体が含まれる。1986年に動・静脈血栓、習慣性流産、血小板減少などがあり、この抗体が陽性の症例を抗リン脂質抗体症候群とし、このような疾患での抗体測定の重要性が提唱された。臨床的には自己免疫疾患、動・静脈血栓、脳梗塞、一過性脳虚血、脊髄炎、肺梗塞、習慣性流産、子宮内胎児死亡、血小板減少などを訴える患者を見た場合に積極的に測定する。LAの存在はAPTTのようなリン脂質依存性凝固時間の延長で疑われる。
【尿一般検査】
尿中に好酸球が増加し、白血球円柱を認めることがある。
【経口避妊薬】
エストロゲンを含む経口避妊薬はリスクを高める。
検体検査以外の検査計画 血管造影検査、CT検査、MRA検査、シンチグラフィー、指尖容積脈波、サーモグラフィー

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