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疾患解説

フリガナ ハイキシュ
別名
臓器区分 呼吸器疾患
英疾患名 Pulmonary Emphysema
ICD10 J43.9
疾患の概念 病理学的に明らかな線維化がなく、終末細気管支より末梢の含気空間が、その壁の拡張または破壊により、異常に増加していることで特徴づけられる肺の状態と定義されている。臨床的には慢性閉塞性肺疾患の肺実質の病変である。
診断の手掛 慢性の咳で始まり進行性、持続性の労作時の呼吸困難を訴える患者を診たら本症を疑う。タバコを20年間20本/日以上吸っていたら可能性は高い。
主訴 息切れ|Shortness of breath/Breathlessness
呼吸困難|Dyspnea
食欲不振|Anorexia
咳|Cough
喘鳴|Wheeze/Stridor
体重減少|Weight loss
痰|Sputum
ばち指|Dubbed finger
慢性咳|Chronic cough
やせ|Weight loss
労作時呼吸困難|Exertional dyspnea
鑑別疾患 肺癌|Lung Cancer
肺結核|Pulmonary Tuberculosis
びまん性汎細気管支炎
気管支拡張症|Bronchiectasis
好酸球性肉芽腫
肺リンパ管筋腫症
閉塞性細気管支炎
気管支炎|Bronchitis
気管支喘息
心不全|Heart Failure
肺炎|Pneumonia
肺性心|Cor Pulmonale
慢性閉塞性肺疾患|Chronic Obstructive Pulmonary Disease(COPD)
塵肺症
非結核性抗酸菌症|Non-Tuberculous Mycobacteria(NTM)
スクリーニング検査 CEA|癌胎児性抗原 [/S]
Erythrocytes|赤血球数 [/B]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Leukocytes|白血球数 [/Sputum]
Potassium|カリウム [/S]
異常値を示す検査 Ammonia|アンモニア [/B]
Angiotensin-converting Enzyme|アンギオテンシン変換酵素 [/S]
Carbon Dioxide Partial Pressure|動脈血CO2分圧/炭酸ガス分圧/CO2分圧/PCO2/PaCO2 [/B, /B]
Interleukin-8|インターロイキン-8 [/S]
Oxygen Partial Pressure|動脈血O2分圧/酸素分圧/O2分圧/PO2 [/B]
Oxygen Saturation|酸素飽和度/O2飽和度 [/B]
pH|尿pH [/B]
Plasma Renin Activity|活性型レニン/血漿レニン活性/総レニン [/P]
Volume [/P]
α1-Antitrypsin|α1-アンチトリプシン [/S]
関連する検査の読み方 【動脈血ガス分析】
PaCO2は代償作用により増加しないが、高度の肺気腫では増加する。PaO2は低下する。PaCO2は動脈血中に溶解しているCO₂の分圧で、肺でのガス交換の効率を示すため、呼吸機能検査の一つとして用いられる。CO₂分圧は肺胞の換気量に逆比例するため換気が不足すればPco₂は上昇、過換気であれば低下する。臨床的には呼吸性アシドーシス、アルカローシス、代謝性アシドーシスの診断と病勢判断、筋疾患での換気状態の判定に用いる。検査に当たってはpH、HCO3⁻、PO2などと同時に測定する必要がある。PaO2は動脈血中に溶解しているO2の分圧で、その値は血液中のO2の利用度を反映している。血中O2濃度低下やCO2濃度上昇があれば、肺のガス交換機能や換気運動の障害を考える。体内の酸素予備能は1リットル程度で極めて少なく、数分の供給停止は死にいたる。臨床的にはpH、PCO2、So2、HCO3-などと同時に測定し、肺のガス交換能を評価する。
【呼吸機能検査】
1秒率は著しく低下し、55%以下であれば肺気腫を強く疑う。フローボリウム曲線は、肺気量の増加と1秒率の低下により特有の型を呈する。
検体検査以外の検査計画 呼吸機能検査、胸部X線検査、CT検査、高分解能CT検査、運動負荷試験

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