疾患解説
フリガナ | シンボウサイドウ |
別名 | |
臓器区分 | 循環器疾患 |
英疾患名 | Atrial Fibrillation(AF) |
ICD10 | I48 |
疾患の概念 | 心房が無秩序に速く不規則に拍動する状態で、拍動数は350~600拍/分にも達し、心電図ではP波が消失し、R-R間隔も不規則になる。細動の持続時間から発作性、持続性、永続性に分類される。AFは最も一般的な不整脈の1つで、心房内の無秩序なリエントリーを伴う複数の微小な興奮波が原因と考えられている。心房収縮の欠如により、しばしば心房血栓が形成され、塞栓性脳卒中の重大なリスク要因となる。脳卒中の危険因子は、65歳以上、高血圧、リウマチ性心疾患、脳卒中または一過性脳虚血発作の既往、糖尿病、うっ血性心不全、左房径5cm以上である。AF発症の原因は、高血圧、虚血性または非虚血性心筋症、僧帽弁または三尖弁疾患、甲状腺機能亢進症および大酒である。 |
診断の手掛 | しばしば無症状であるが、心室拍動が非常に速い時に動悸、胸部不快感、心不全症状(脱力感、呼吸困難など)を訴える患者を診たら本症を疑う。これらの症状は心室拍数が非常に高い場合(しばしば140~160/分)によく見られる。心室拍数が高くなると心尖部の心拍数が手首で触知される脈拍数より高い脈拍欠損がみられる。脈拍は不規則な不整で、頸静脈拍動ではa波が消失する。 |
主訴 |
胸痛|Chest pain 胸部不快感|Cest discomfort 呼吸困難|Dyspnea 脱力感|Weekness 動悸|Palpitations 頻脈|Tachycardia |
鑑別疾患 |
WPW症候群 脳梗塞|Cerebral Infarction 一過性脳虚血発作|Transient Ischemic Attack(TIA) 心室頻拍 発作性上室性頻拍 三尖弁障害 僧帽弁障害 肥大型心筋症|Hypertrophic Cardiomyopathy(HCM) 僧帽弁狭窄症 洞不全症候群 高血圧症|Hypertension 甲状腺機能亢進症|Hyperthyroidism 休日症候群 肺塞栓症|Pulmonary Embolism(PE) 慢性閉塞性肺疾患|Chronic Obstructive Pulmonary Disease(COPD) 心筋炎|Myocarditis 心膜炎 |
スクリーニング検査 | Fibrinogen|フィブリノゲン/凝固第I因子 [/P] |
異常値を示す検査 |
Atrial Natriuretic Peptide|心房性Na利尿ペプチド [/P] Cyclic Gmp|サイクリックGMP [/P] D-Dimer|Dダイマー/フィブリン分解産物Dダイマー [/P] von Willebrand Factor|フォンウィルブランド因子活性/リストセチン・コファクター活性 [/P] |
関連する検査の読み方 |
【サイクリックGMP】 ANP、BNP、CNP及び血漿一酸化窒素濃度と関連して変動し、本症では250pmol/mL以上に上昇する。cGMPは細胞内情報伝達、細胞の増殖・分化の抑制因子などの生理作用を持つ。臨床的意義は確立されていないが、肝疾患、急性心筋梗塞、気管支喘息、腎不全、悪性腫瘍などで高値になる。臨床的には心不全の重症度判定、治療薬(亜硝酸剤)の効果判定に用いる。異常値を認めたらANP、BNP、CNPなどのNa利尿ペプチドと血漿NO濃度を測定する。 【甲状腺機能検査】 鑑別のために有用である。 |
検体検査以外の検査計画 | 心電図検査、心超音波検査 |