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疾患解説

フリガナ マンセイシキュウタイジンエン
別名 慢性腎炎症候群
臓器区分 腎・泌尿器疾患
英疾患名 Glomerulonephritis, Chronic
ICD10 N03
疾患の概念 蛋白尿、血尿、高血圧を示すが、しばしば無症状のまま数年~十数年にわたり、徐々に腎障害が進行する疾患で、我が国では血尿および蛋白尿が、1年以上持続する原発性糸球体疾患を慢性糸球体腎炎と呼んでいる。臨床的には 一つの疾患概念であるが、WHO の形態分類では、1.巣状糸球体硬化:病理学的に巣状(focal)、分節状(segmental)、糸球体硬化病変(sclerosing lesion)あるいは硝子化(hyalinosis)を認める。2.膜性腎症:糸球体基底膜との間隙へ免疫複合体の沈着と係蹄壁の肥厚を認める。3.メサンギウム増殖性糸球体腎炎:80%以上の糸球体にメサンギウム細胞の増殖とメサンギウム基質の増生、拡大を認める。4.膜性増殖性糸球体腎炎:殆ど全ての糸球体にメサンギウム細胞の増殖と基質の増加を認め、係蹄壁の肥厚と基底膜の二重化構造を認める、に分けられている。
診断の手掛 血尿と蛋白尿の両者が持続する患者、蛋白尿あるいは血尿が持続する患者、原因不明の貧血を訴える患者、UNとクレアチニンが高値の患者を診たら本症を疑う。巣状糸球体硬化症の急性発症は 、高度の浮腫、蛋白尿、低蛋白血症、高脂血症が見られるが、しばしば血尿、高血圧、腎機能低下を伴う。慢性発症は、蛋白尿で発見され、初期は慢性腎炎症候群の病態像を呈し、進行するとネフローゼ症候群の症状が見られる。膜性腎症は、殆どが無症候性に下肢の浮腫と蛋白尿で発症する。肉眼的血尿は稀であるが、顕微鏡的血尿が時に認められる。発症後数年の経過で、約60~70%の症例は、尿蛋白が徐々に増加しネフローゼ症候群を呈するようになる。メサンギウム増殖性糸球体腎炎のIgA腎症は、蛋白尿が 1.0~3.0g/日の非ネフローゼ症候群の状態のまま慢性腎不全に進行し、発症から 20~30年の経過で 30~40%が末期腎不全に移行する。非IgA型では、発症は慢性で、蛋白尿、血尿が見られ、多くの症例で高血圧や腎機能低下をきたすことなく、長期にわたり蛋白尿、血尿のままで安定した経過をたどる。膜性増殖性糸球体腎炎は、急性発症例では、ネフローゼ症候群を呈し、高血圧、腎機能低下を伴う。慢性発症例は、軽度の蛋白尿、血尿、低補体血症て発見されることが多く、一部は尿蛋白の増加とともにネフローゼ症候群を呈するようになるが、多くは軽度の蛋白尿、血尿のまま経過する。
主訴 血尿|Hematuria
高血圧|Hypertension
体重増加|Obesity
蛋白尿|Proteinuria
肥満|Obesity/Adiposity
浮腫|Edema/Dropsy
鑑別疾患 巣状分節性糸球体硬化症|Focal Segmental Glomerular Sclerosis(FSGS)
膜性腎症
メサンギウム増殖性糸球体腎炎
膜性増殖性糸球体腎炎|Membranoproliferative Glomerulonephritis
スクリーニング検査 Creatinine|クレアチニン [/S]
異常値を示す検査 Aluminum|アルミニウム [/Bone]
Creatine|クレアチン [/S]
Fibrin and Fibrinogen Degradation Product E|フィブリン・フィブリノゲン分解産物E分画/線維素分解産物E [/U]
Guanidine|グアニジン [/S]
Guanidinoacetic Acid [/S]
Guanidinosuccinic Acid|グアニジノコハク酸 [/S]
Methylguanidine|メチルグアニジン/グアニジノ化合物 [/S]
Monocyte Chemotactic Protein-1 [/S, /U]
Soluble E-Selectin|可溶性E-セレクチン/可溶性CD62E/可溶性ELAM-1 [/S]
Soluble Vascular Cell Adhesion Molecule-1|可溶性VCAM-1/可溶性CD106/可溶性血管細胞接着分子-1 [/S]
β-Guanidinopropionic Acid [/S]
γ-Guanidinobutyric Acid [/S]
関連する検査の読み方 【尿中NAG活性】
尿細管障害の指標となる。NAGは近位および遠位尿細管や集合管細胞内のライソゾームに含まれる酵素で、尿細管から排泄されるので、尿細管障害の程度を見るために測定される。臨床的には腎毒性のあるアミノグリコシド系抗生剤や重金属などによる尿細管障害の早期発見、腎疾患の診断・経過観察、糖尿病性腎症の早期発見などに用いる。
【β2-ミクログロブリン】
尿細管障害の指標になる。β2mは全ての有核細胞の膜抗原を構成しているが、細胞から遊離すると糸球体を通過し近位尿細管で再吸収され分解される。この蛋白の異化経路の大部分は腎を経由するため、腎の排泄機能が低下すると、他の低分子蛋白よりも著しく血中濃度が増加する。また、血中濃度はGFRと良く相関するので、GFRに代用されることもある。臨床的には腎障害部位の推測や腎疾患活動性の推定に用いる。
【尿沈渣】
糸球体型の赤血球、尿細管上皮細胞、大食細胞円柱を認める。
【IgA】
IgA腎症の約50%で高値となる。
【eGFR】
低値になる。eGFRは日本腎臓学会が示したCKDガイドラインに記載されているGFRの算定法で、イヌリンクリアランスで求めたGFRと酵素法で測定した血清クレアチニン値から計算式で求められる。eGFRは簡便な方法であるが、スクリーニングや疫学研究を目的に作成されているので、実際の臨床の場で個々の患者を評価するためにはイヌリンクリアランスやクレアチニンクリアランスを用いることが薦められている。臨床的には糸球体濾過量の推定とCKDの病期分類に用いる。個々の患者評価:eGFR=0.719×Ccr(実測クレアチニンクリアランス。薬物投与調節:eGFR=0.719×Cin(実測イヌリンクリアランス)
【クレアチニンクリアランス】
低値になる。クレアチニンは筋量に比例し、ほぼ一定の割合で産生され、腎糸球体から濾過され、尿細管で再吸収や分泌が殆んどない物質で、そのクリアランスは糸球体濾過量(GFR)とほぼ近似した値となるため、GFRの近似指標として用いられる。臨床的には腎糸球体や尿細管の障害が疑われる糖尿病腎症などの早期発見に用いられる。
【イヌリンクリアランス】
低値になる。イヌリンは生体内で合成されず、糸球体で100%濾過され尿細管で再吸収されないことから、Cinは真の糸球体濾過量(GFR)を表す最良のマーカーとされている。臨床的にはGFRのゴールドスタンダードとして慢性腎疾患(CKD)のステージ分類や血液透析導入時の正確な腎機能評価に用いられる。
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