疾患解説
フリガナ | コウジョウセンクリーゼ |
別名 | |
臓器区分 | 内分泌疾患 |
英疾患名 | Thyroid Crisis |
ICD10 | E05.5 |
疾患の概念 | 未治療又は治療不十分な重症甲状腺機能亢進症の患者が、様々な誘発因子(感染、外傷、外科手術、塞栓症、糖尿病性ケトアシドーシス、妊娠中毒症など)により症状が急激に悪化し、精神症状や意識障害を来し重篤になり、生命の危険を伴う状態をいう。 |
診断の手掛 | 未治療または治療が不十分な甲状腺機能亢進症の患者が、38℃以上の発熱、100拍/分以上の頻脈を呈し、意識障害を発症したら本症を疑う。臨床的には、著しい精神障害、重篤な頻脈、嘔吐、高熱、下痢などが主な症状である。 |
主訴 |
意識障害|Memory impaiment 黄疸|Jaundice 嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 肝腫大|Hepatomegaly 血圧低下|Blood pressure decreased 下痢|Diarrhea 昏睡|Coma 昏迷|Stupor 錯乱|Confusion ショック|Shock 振戦|Tremor 脱力感|Weekness 発汗異常|Dyshidrosis/Paridrosis 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 頻脈|Tachycardia 不安|Anxiety 不隠状態|Restlessness 腹痛|Abdominal pain 妄想|Delusion |
鑑別疾患 |
悪性高熱症 悪性症候群 アジソン病/急性副腎不全|Addison's Disease/Adrenal Crisis 感染症 急性腹症 心不全|Heart Failure 熱中症|Heatstroke 脳血管障害 バセドウ病 胞状奇胎|Hydatidiform Mole Plummer病 iodine-Basedow病 |
スクリーニング検査 |
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S] Bilirubin-Indirect|間接ビリルビン/非抱合型ビリルビン [/S] Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S] Thyroxine,Free(fT4)|遊離サイロキシン/遊離T4/フリーT4/遊離チロキシン [/S] Phosphate|無機リン [/S] Tri-Iodothyronine, Free (fT3)|遊離トリヨードサイロニン/フリーT3/遊離T3/遊離トリヨードチロニン [/S] Thyroid Stimulating Hormone|甲状腺刺激ホルモン [/S] |
異常値を示す検査 |
C-terminal Propeptide of Type I Collagen [/S] C-terminal Telopeptide of Type I Collagen|I型コラーゲンC末端テロペプチド [/S] |
関連する検査の読み方 |
【FT3】 増加し、20pg/mL以上である。 【FT4】 増加し、8ng/dL以上である。 【TSH】 0.1mIU/L以下に低下する。 【抗TSHレセプター抗体】 50%以上である。TR Abは甲状腺細胞膜上の存在する甲状腺刺激ホルモンレセプターに対する自己抗体で、この抗体の存在が甲状腺機能亢進症や機能低下症発症の原因と考えられている。未治療のBasedow病患者での陽性率は95~100%とされ、治療により低下し寛解期には殆ど陰性になる。 【コレステロール】 100mg/dL以下に低下する。 【電解質】 脱水のため高値を示す。 【発症を促進する因子】 感染、外傷、外科手術、塞栓症、糖尿病性ケトアシドーシス、妊娠中毒症が発症を促進する。 |
検体検査以外の検査計画 | 心電図検査、頸部ドップラ超音波検査 |