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疾患解説

フリガナ セイジンスチルビョウ
別名 成人発症スチル病
臓器区分 膠原病・免疫疾患
英疾患名 Still's Disease
ICD10 M06.1
疾患の概念 原因不明の全身性炎症性疾患で、小児の特発性関節炎の全身型が、成人に発症したものと考えられ、関節リウマチの一類型と考えられている。薬剤アレルギーや薬剤性肝障害を高頻度に併発し、薬剤はしばしば発症や増悪の要因となる。本症の病態形成には活性化マクロファージと、それにより産生される炎症性サイトカインが関与していると理解されている。患者の大半は20~30歳台で、60歳以降の発症は稀である。
診断の手掛 患者の多くは、初期に咽頭痛を訴え、発熱がみられ、発汗を伴い40℃の高熱を来すが、その後、平常体温を数℃下回るほどまでに急激に降下する。急激な発熱時に一致して、即時消退性のサーモンピンクの紅斑が見られる。また、リンパ節腫脹が多くの患者で見られる。
【診断基準:1992年Yamaguchiらの基準】
大項目:1.発熱(39℃以上、1週間以上)2.関節痛(2週間以上)3.典型的皮疹 4.白血球増加(10,000/μL以上および好中球増加80%以上)
小項目:1.咽頭痛 2.リンパ節腫脹あるいは脾腫 3.肝機能異常 4.リウマトイド因子陰性及び抗核抗体陰性
*計5項目以上(大項目2項目以上)で診断する。
*除外項目:感染症、悪性腫瘍、膠原病
主訴 咽頭痛|Pharyngodynia
肝腫大|Hepatomegaly
関節腫脹|Articular swelling
関節痛|Arthralgia
関節熱感|Heat sensation of joint
丘疹|Papule
ケブネル現象|Koebner phenomenon/Koebner sign
原因不明熱|Fever of unknown origin/FUO
高熱|High fever/Hyperthermia
紅斑|Erythema/Rubedo
こわばり|Stiffness
弛張熱|Remittent fever
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
脾腫|Splenomegaly
リンパ節腫脹|Lymphadenopathy
鑑別疾患 ウイルス感染症
伝染性単核球症|Infectious Mononucleosis
感染性心内膜炎|Infective Endocarditis
敗血症|Sepsis
深在性膿瘍
悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma
血球貪食症候群|Hemophagocytic Syndrome
顕微鏡的多発血管炎|Microscopic Polyangitis
過敏性血管炎
結節性多発動脈炎|Polyarteritis Nodosa(PAN)
悪性関節リウマチ
脊椎関節症
皮膚筋炎
全身性エリテマトーデス|Systemic Lupus Erythematosus(SLE)
薬物アレルギー
薬剤性肝障害|Drug-induced Liver Injury(DILI)
関節炎
虹彩毛様体炎
心膜炎
胸膜炎
スクリーニング検査 ALT|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S]
AST|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S]
Ferritin|フェリチン [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B]
異常値を示す検査 Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S]
関連する検査の読み方 【CBC】
白血球数は時に4万/μLを超えることがあり、好中球が80%を超える。貧血が見られる。
【AST】【ALT】
薬剤による肝機能障害を伴う場合は増加するが、誘因薬剤の中止で改善することも少なくない。
【抗核抗体】
陰性である。
【フェリチン】
基準範囲の5倍以上に著増する。この値は疾患の活動性と高い相関があるので、治療効果の判定にも用である。
【リウマチ因子】
陰性である。
【可溶性 IL-2レセプター】
高値になる。
【ESR】
亢進する。
検体検査以外の検査計画 細隙灯検査

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