疾患解説
| フリガナ | テイサンソケッショウ |
| 別名 | 低酸素症 |
| 臓器区分 | 呼吸器疾患 |
| 英疾患名 | Hypoxia |
| ICD10 | R09.0 |
| 疾患の概念 | 低酸素症はPaCO2が80Torr以下の状態で、80>PaCO2≧60Torrを軽度、60>PaCO2≧40Torrを中等度、PaCO2<40Torrを高度低酸素血症としている。原因は貧血、一酸化炭素中毒、呼吸器疾患、高地、肺外の右-左シャント、循環血流低下、酸素消費拡大、酸素利用不全、血管閉塞・狭窄などである。 |
| 診断の手掛 | 呼吸不全の基礎疾患がある患者などに血圧低下、頻脈、中心性チアノーゼや中枢神経症状が認められたら本症を疑う。 |
| 主訴 |
息切れ｜Shortness of breath/Breathlessness 嘔吐｜Vomiting 悪心｜Nausea 血圧低下｜Blood pressure decreased 呼吸困難｜Dyspnea 昏睡｜Coma 昏迷｜Stupor 錯乱｜Confusion せん妄｜Delirium チアノーゼ｜Cyanosis/Cyanopathy 動悸｜Palpitations 発汗異常｜Dyshidrosis/Paridrosis 頻呼吸｜Tachypnea 頻脈｜Tachycardia 不安｜Anxiety ふらつき｜Dizzyness |
| 鑑別疾患 |
肺癌｜Lung Cancer アシドーシス 一酸化炭素中毒｜Toxic Effects of Carbon Monoxide 重症急性呼吸器症候群｜Severe Acute Respiratory Syndrome(SARS) 頭部外傷 肺炎｜Pneumonia 肺塞栓症｜Pulmonary Embolism(PE) 貧血 慢性閉塞性肺疾患｜Chronic Obstructive Pulmonary Disease(COPD) 間質性肺炎 びまん性汎細気管支炎 慢性気管支炎 気管支喘息 慢性肺気腫 肺結核｜Pulmonary Tuberculosis 脂肪塞栓症候群｜Fat Embolism Syndrome ニューモシスチス肺炎｜Pneumocystis Pneumonia 高山病 急性呼吸促迫症候群｜Acute Respiratory Distress Syndrome(ARDS) ライ症候群｜Reye's Syndrome |
| スクリーニング検査 |
Uric Acid｜尿酸 [ /U]
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| 異常値を示す検査 |
Ammonia｜アンモニア [/P]
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| 関連する検査の読み方 |
【Anion Gap】 酸塩基調節障害をみるため測定する。AGは乳酸やケトン体などの量を間接的に表す指標でAG=(Na)－(Cl-)＋(HCO3-)の式で計算され、陰イオン（乳酸、ピルビン酸、リン酸、硫酸）増減の指標となる。臨床的には酸塩基平衡以上を来す疾患に用いる。 【base excess】 血液1リットルを標準状態(37℃,PCO2 40Torr,So2 100%)に保つとき、pH7.4に戻すのに必要な酸(−BE)あるいは塩(＋BE)の量を表し、酸塩基平衡の代謝性変化を表す指標の一つである。BEを知ることで代謝性アルカローシスあるいは代謝性アシドーシスの有無が明らかになる。 【経皮的動脈血酸素飽和度】 90%以下である。 【動脈血ガス分析】 PaO2が60Torr以下、あるいはPaCO2が45Torr以上である。PaO2は動脈血中に溶解しているO2の分圧で、その値は血液中のO2の利用度を反映している。血中O2濃度低下やCO2濃度上昇があれば、肺のガス交換機能や換気運動の障害を考える。体内の酸素予備能は1リットル程度で極めて少なく、数分の供給停止は死にいたる。臨床的にはpH、PCO2、So2、HCO3-などと同時に測定し、肺のガス交換能を評価する。PaCO2は動脈血中に溶解しているCO₂の分圧で、肺でのガス交換の効率を示すため、呼吸機能検査の一つとして用いられる。CO₂分圧は肺胞の換気量に逆比例するため換気が不足すればPco₂は上昇、過換気であれば低下する。臨床的には呼吸性アシドーシス、アルカローシス、代謝性アシドーシスの診断と病勢判断、筋疾患での換気状態の判定に用いる。検査に当たってはpH、HCO₃⁻、PO₂などと同時に測定する必要がある。 【乳酸】 低アルブミン血症があるときはアニオンギャップが基準範囲内であっても乳酸アシドーシスが存在することがあるので、確認する。乳酸はピルビン酸から乳酸デヒドロゲナーゼの作用により骨格筋、赤血球、脳、皮膚、腸管で産生され、腎、肝で代謝される。血中濃度は生体の酸化還元状態の指標となり、臨床的には代謝性アシドーシスの一つである乳酸アシドーシスの診断に有効である。 【尿中尿酸】 排泄亢進により増加する。 |
| 検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査、脳MRI検査、胸部・脳CT検査、心電図検査、心超音波検査、呼吸機能検査 |