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疾患解説

フリガナ ムカリュウキュウショウ
別名 好中球減少症
顆粒球減少症
臓器区分 血液・造血器疾患
英疾患名 Agranulocytosis
ICD10 D70
疾患の概念 無顆粒球症は、好中球数が減少した状態で、末梢血中の好中球が1,500/μL以下になった場合を顆粒球減少症、500/μL以下の場合を無顆粒球症と呼ぶ。好中球数が、500/μL未満に減少すると、口腔や消化管に存在する内在性微生物が、感染症を引き起こすことがある。好中球数が200/μL未満に減少すると、炎症反応が消失することがある。原因は、免疫性と中毒性があり、免疫性は薬物による抗好中球抗体の産生、中毒性は薬物の骨髄顆粒球前駆細胞に対する中毒作用による。但し、抗癌剤による顆粒球減少はこれに含めない。重症の好中球減少症患者で、高頻度に発症する感染症は、蜂窩織炎、肝膿瘍、せつ腫症、肺炎、敗血症である。起因菌は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌が多いが、その他のグラム陽性菌およびグラム陰性菌による感染症も見られる。数時間から数日で発症する急性の好中球減少症は、好中球の急激な消費や破壊、または産生障害により、また、数カ月から数年に及ぶ慢性の好中球減少症は、好中球の産生低下または脾臓による好中球の捕捉により発症する。
診断の手掛 本症は、感染症が発症する迄は無症状である。易感染性により急性感染症の症状で発症するので、発熱だけが診断の手掛りになる場合が多い。原因が薬物の場合は発熱、発疹、過敏反応によるリンパ節腫脹が認められる。慢性の好中球減少症では、好中球数が、200/μL未満でも重篤な感染症を発症しない場合もある。周期性好中球減少症または重度の先天性好中球減少症の患者は、口腔内潰瘍、口内炎、咽頭炎、リンパ節腫大、肺炎、敗血症を発症し易いので注意する。
主訴 易感染性|Susceptibility to infection
咽頭痛|Pharyngodynia
悪寒戦慄|Chill with shivening
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
膿瘍|Abscess
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
発疹|Eruption/Exanthema
リンパ節腫脹|Lymphadenopathy
鑑別疾患 麻疹|Measles
Felty症候群
全身性エリテマトーデス|Systemic Lupus Erythematosus(SLE)
自己免疫性好中球減少症
先天性好中球減少症
周期性好中球減少症
慢性特発性好中球減少症
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/U]
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/WBC]
Eosinophils|好酸球 [/B]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Leukocytes|白血球数 [/B]
Lymphocytes|リンパ球 [/B, /B]
Monocytes|単球 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B, /Bone Marrow]
Platelets|血小板 [/B]
γ-Globulin|γ-グロブリン [/S]
異常値を示す検査 Anti-Neutrophile Antibody|抗好中球抗体 [Positive/S]
Metamyelocytes|後骨髄球 [/Bone Marrow]
Plasma Cells|形質細胞 [/Bone Marrow]
関連する検査の読み方 【CBC】
赤血球の数と形態、血小板と凝固系検査は基準範囲内である。白血球は急性劇症型では2,000/μL以下に低下し、時に50/μL以下になることがある。顆粒球は0~2%である。慢性型と再発型では2,000/μL以下であるが、顆粒球低下はあまり著明でない。相対的なリンパ球増加と、時として単球増加を認める。
【骨髄像】
最も重要な検査で、顆粒球系細胞の欠如を認める。赤芽球系と巨核球系は正常である。
【抗好中球抗体】
存在すれば免疫性好中球低下症を示唆する。好中球表面にはHLA class I抗原などの多種類の好中球特異抗原が存在するが、これら抗原に対する抗体が産生されると、好中球が破壊され好中球減少の原因となる。臨床的には原因不明の好中球減少症や好中球減少症の鑑別が必要な場合に測定する。
【血液培養】
発熱している全ての患者に必須である。細菌と真菌の2セット行う。
【周期性の評価】
周期性好中球低下症が疑われたら、白血球数と分画を週3回6週にわたって測定する。
検体検査以外の検査計画 胸部X線検査、副鼻腔CT・X線検査

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