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疾患解説

フリガナ ライムビョウ
別名 ライム病ボレリア症
臓器区分 感染性疾患
英疾患名 Lyme Disease
ICD10 A69.2
疾患の概念 ライム病は、スピロヘータの一種であるライム病ボレリア(Borrelie burgdorferi)による人畜共通感染症で、マダニによって媒介される。コネチカット州のLyme地方で多発した関節炎患者の調査で発見された疾患で、わが国では北海道や長野県に散発的に患者発生が報告されている。B. burgdorferiは刺咬部から皮膚に侵入し、3~32日後に刺咬部周囲を局所的に遊走し、リンパ管を介して所属リンパ節腫脹を引き起こすか、血行性に臓器または皮膚に播種する。4類感染症に指定されているため報告義務がある。
診断の手掛 流行地でのキャンプや野外作業で、マダニ刺咬傷後、数日~数週間に大腿、臀部、腋下などの刺咬傷部位に遊走性の紅斑または丘疹が認められたら感染を疑う。紅斑はしばしば中心部の消褪を伴いながら拡大する。ライム病には早期(限局期)、早期(播種期)、晩期の3段階がある。早期(限局期)には、ライム病の特徴であり、臨床指標でもある遊走性紅斑が少なくとも75%の患者でみられ、刺咬後数日~数週間の間にダニ刺咬部に赤い斑または丘疹が出現する。早期(播種期)の症状は、初期病変の出現から数日または数週間後に細菌が全身に播種された段階で始まり、無治療患者の半数近くで中央部の硬結を欠いた小さな輪状の二次性皮膚病変が複数出現する。また、神経学的異常が遊走性紅斑の数週間から数カ月以内に約15%の患者に、心筋異常が遊走性紅斑の数週間以内に約8%の患者に発症する。無治療の患者は、最初の感染後数カ月から数年で晩期に移行し、約60%の患者で発症から数カ月、ときに最長2年以内に間欠的な腫脹および疼痛が2~3の大関節(特に膝関節)に生じ、典型的には数年にわたって再発を繰り返す。
主訴 移動性紅斑|Erythema migrans
易疲労感|Fatigue
悪寒戦慄|Chill with shivening
肝腫大|Hepatomegaly
関節痛|Arthralgia
顔面神経麻痺|Facial paralysis/Facial palsy
丘疹|Papule
筋肉痛|Myalgia
紅斑|Erythema/Rubedo
膝関節痛|Gonalgia
頭痛|Headache/Cephalalgia
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
脾腫|Splenomegaly
リンパ節腫脹|Lymphadenopathy
鑑別疾患 心筋炎|Myocarditis
心膜炎
蕁麻疹|Urticaria
髄膜炎|Meningitis
多形滲出性紅斑
蜂巣炎|Cellulitis
ベル麻痺
スクリーニング検査 Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/CSF, /S]
Lymphocytes|リンパ球 [/B]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/CSF]
γ-Glutamyltranspeptidase|γ-グルタミルトランスペプチダーゼ/γ-グルタミルトランスフェラーゼ [/S]
異常値を示す検査 Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
Cells [/CSF]
Cryoglobulins|クリオグロブリン [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/CSF, /CSF, /S]
Oligoclonal Banding|オリゴクローナルバンド [/CSF]
Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/CSF]
関連する検査の読み方 【ボレリア抗体】
陽性である。梅毒、レプトスピラなどで偽陽性、感染早期の抗菌薬使用で偽陰性のことがある。抗ボレリア・ブルクドルフェリ抗体はLyme病の起炎菌に対する抗体である。このスピロヘータはマダニを媒介宿主として咬傷部より進入し、皮膚に特徴的な慢性遊走性紅斑を作る。感染初期は感冒様症状で始まり、数週から数ヶ月後に神経症状、循環器症状、関節炎症状を発症する。臨床的には中部地方、北海道のLyme病流行地でマダニ咬傷のある患者や遊走性紅斑を認める患者に測定する。
【ELISA】
陽性の結果が出てもウエスタンブロット法で確認すべきである。
【PCR】
CSFのPCR検査はその部位が侵されている場合は、しばしば陽性になる。
【血液・髄液・関節腔液・皮膚組織培養】
培養は困難であるので集菌した生菌の観察を行う。
【梅毒血清反応】
STSは5~10%に交差反応で偽陽性になる。
検体検査以外の検査計画 心電図検査

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