疾患解説
| フリガナ | スイミンジムコキュウショウコウグン |
| 別名 | 閉塞性睡眠時無呼吸症 |
| 臓器区分 | 呼吸器疾患 |
| 英疾患名 | Sleep Apnea Syndrome(SAS) |
| ICD10 | G47.3 |
| 疾患の概念 | SASは10秒以上の呼吸停止を1回の無呼吸発作とすると、一晩7時間の睡眠中に無呼吸発作が30回以上、あるいは1時間当たり5回以上の無呼吸が出現する症候群で、日中過眠などの症状を引き起こす。睡眠により上気道の開存が不安定になり、上咽頭、中咽頭またはその両方が部分的または完全に閉塞するものを睡眠時無呼吸（呼吸の停止）と呼び、呼吸が減弱しているが、停止していない場合を閉塞性睡眠時低呼吸（浅い呼吸）と呼ぶ。危険因子は、肥満、短いまたは後退した下顎、舌根部および扁桃の肥大、丸形の頭部および短い頸部、首回り 43cm以上、咽頭側壁の肥厚、副咽頭側面の脂肪沈着などである。比較的高頻度に発症する合併症として、高血圧、脳卒中、糖尿病、胃食道逆流症、夜間狭心症、心不全、心房細動、不整脈などがある。 |
| 診断の手掛 |
夜間は大きな激しいいびき、特に間歇的ないびきが特徴である。また、息詰り、喘ぎ、鼻鳴らし、異常な体動、頻回の覚醒、頻尿も見られる。昼間は起床時の頭痛、日中過眠、居眠り、集中力・記憶力・仕事の能率の低下などが見られる。高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などを合併することが多い。また、肥満の影響と無関係に糖尿病の有病率が高いとの報告もある。 【診断基準：睡眠呼吸障害研究会】 １）睡眠検査でAHI≧5 ２）日中の過眠症状 ３）臨床症状（2つ以上）a.睡眠中の窒息感や喘ぎ b.睡眠中の頻回の覚醒 c.熟眠感の欠如 d.日中の倦怠感 e.集中力の欠如 ＊上記の１＋２，１＋３をSASと診断する。 |
| 主訴 |
居眠り｜Drowse/Snooze いびき｜Snore インポテンツ｜Impotence 記憶障害｜Memory impairment 起床時頭痛｜Morning headache 集中力低下｜Loss of concentration 睡眠障害｜Sleep disorder 頭痛｜Headache/Cephalalgia 体重増加｜Obesity 日中過眠｜Excessive daytime sleepiness 肥満｜Obesity/Adiposity 頻尿｜Pollakiuria/Pollakisuria 夜間頻尿｜Nocturia 抑うつ状態｜Depressive state |
| 鑑別疾患 |
ナルコレプシー｜Hypersomnia 周期性四肢運動障害 肥満症｜Obesity 鼻中隔湾曲症 アレルギー性鼻炎｜Allergic Rhinitis 甲状腺機能低下症｜Hypothyroidism 軟口蓋低位 副鼻腔炎 薬剤（鎮静剤） 抑うつ状態 |
| スクリーニング検査 |
Albumin｜アルブミン [ /U]
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| 異常値を示す検査 |
5-HIAA｜5-ヒドロキシインドール酢酸 [/CSF] Catecholamines｜カテコールアミン総 [ /P, /U]Erythropoietin｜エリスロポエチン [ /S]Interleukin-1β｜インターロイキン-1β [  /S]Interleukin-6｜インターロイキン-6 [ /S]Soluble Intercellular Adhesion Molecule-1｜可溶性ICAM-1/可溶性CD54/細胞接着分子-1 [ /S]Soluble L-Selectin｜可溶性L-セレクチン/可溶性CD62L/可溶性LECAM-1/可溶性白血球内皮細胞接着分子-1 [ /S]Soluble Vascular Cell Adhesion Molecule-1｜可溶性VCAM-1/可溶性CD106/可溶性血管細胞接着分子-1 [ /S]Tumor Necrosis Factor-α｜腫瘍壊死因子-α [ /S]α1-Antitrypsin｜α1-アンチトリプシン [ /U]
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| 関連する検査の読み方 |
【5-HIAA】 髄液中の値は中等度に増加することがある。5-HIAAはセロトニンの主要代謝産物で、血液中の殆どのセロトニンは5-HIAAとして尿中に排泄される。尿中排泄値が高い場合はCarcinoid症候群が強く示唆され診断的有用性が高い。また、脳内のセロトニンは抑制性神経伝達物質として作用しており、髄液中の5-HIAA値は中枢神経系のセロトニン作動性ニューロンの活動性の指標として測定される。バナナの多食で上昇するので採血時に注意する。 |
| 検体検査以外の検査計画 | ポリソムノグラフィー、呼吸機能検査、フローボリューム曲線、パルスオキシメーター、終夜睡眠ポリグラフ検査、睡眠ポリグラフ検査、単純X線検査、CT検査、MRI検査、簡易睡眠モニター |