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疾患解説

フリガナ ヒマンショウ
別名
臓器区分 代謝性疾患
英疾患名 Obesity
ICD10 E66.9
疾患の概念 肥満度が+20%以上、またはBMIが25以上を肥満と呼ぶ。肥満症とは医学的見地から減量が必要なものと定義されている。肥満に基づく合併症(糖尿病、高血圧、肺換気障害、変形性関節症)などを有するものと、合併症はないが、減量しないと将来合併症の発症が予測されるものがある。肥満の原因は、多因子的で、遺伝的素因もあるが、究極的には、エネルギー摂取とエネルギー消費の長期に亘る不均衡である。
診断の手掛 肥満度+20%またはBMI25以上を肥満とする。肥満症の診断は、脂肪分布により、内蔵型肥満、皮下型肥満に分けられる。肥満患者では、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、脂質異常症、高血圧、脂肪肝、うつ病などの合併症の症状の把握が重要である。肥満の結果として、変形性膝関節症ならびに腱や筋膜障害を発症し、皮膚疾患もよく見られる。また、過体重は、胆石症、痛風、深部静脈血栓症、肺塞栓症、結腸癌、乳癌の危険因子となるので、これらの疾患にも注意する。
主訴 息切れ|Shortness of breath/Breathlessness
易疲労感|Fatigue
いびき|Snore
関節痛|Arthralgia
呼吸困難|Dyspnea
体重増加|Obesity
多飲|Polydipsia
多食|Polyphagia
肥満|Obesity/Adiposity
腰痛|Low back pain/Lumbago
鑑別疾患 メタボリック症候群|Metabolic Syndrome
神経性過食症
夜食症候群
睡眠時無呼吸症候群|Sleep Apnea Syndrome(SAS)
低換気症候群
変形性関節症|Osteoarthritis(OA)
クッシング症候群|Cushing's Syndrome
糖尿病|Diabetes Mellitus
甲状腺機能低下症|Hypothyroidism
Stein-Leventhal症候群
偽性副甲状腺機能低下症
遺伝性肥満
視床下部性肥満
前頭葉性肥満
薬剤(シプロヘプタジン、クロルプロマジン)
スクリーニング検査 Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S]
Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S]
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S]
HDL-Cholesterol|HDL-コレステロール/高比重リポ蛋白コレステロール [/S]
Triglycerides|トリグリセリド/中性脂肪/トリグリセライド/トリアシルグリセロール [/S]
Uric Acid|尿酸 [/S]
異常値を示す検査 Adiponectin|アディポネクチン [/S]
Free Fatty Acid|遊離脂肪酸/非エステル型脂肪酸/FFA [/S]
Insulin|インスリン [/S]
High Molecular Form Adiponectin|高分子アディポネクチン/HMWアディポネクチン [/S]
Homeostasis Model Assessment Ratio|インスリン抵抗性指数 [/Calculated value]
LCAT|レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ [/S]
Leptin|レプチン [/S]
Lipid Peroxide|過酸化脂質/脂質過酸化物 [/S]
Lipoprotein Lipase|リポ蛋白リパーゼ [/S]
関連する検査の読み方 【アミノ酸】
チロシンとフェニルアラニンが基準範囲上限以上のことがある。
【インスリン抵抗性指数】
内蔵型肥満では抵抗性が強く高インスリン血症を呈することが多い。糖尿病の主な原因は、膵から分泌されるインスリンの不足である。インスリンが不足すると血中のグルコース濃度は低下しにくくなリ、血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られなくなる。このような状態をインスリン抵抗性と呼ぶ。1985年Matthewsらは定常状態のグルコースとインスリンの濃度は、この二つの因子の相互作用で決まるとした。HOMA-Rはこの二つの因子の恒常的な濃度の変化を予測する指数である。算定は早朝空腹時の血糖値とインスリン値から、次の計算式で求める。HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405
【インスリン】
基準範囲以上になる。内臓脂肪型肥満ではインスリン抵抗性が高く、高インスリン血症を呈する例が多い。
【アディポネクチン】
アディポネクチンが高値になる。アディポネクチンは脂肪細胞で産生されるアディポサイトカインの一つで、内臓脂肪量と逆相関し肥満者は血中濃度が減少する。この蛋白はインスリン抵抗性の改善、血糖値・中性脂肪値の低下、血管の拡張による血圧低下、抗動脈硬化作用があり、また肥満により発現が低下するという特徴がある。臨床的には糖尿病、高血圧、肥満、メタボリック症候群で低アディポネクチン血症が見られるため、これら患者管理に有用とされる。また、喫煙者では非喫煙者に比べ約30%ほど低値になる。
【高分子アディポネクチン】
アディポネクチンは三量体の低分子量(LMW)、六量体の中分子量(MMW)、十二量体から十八量体の高分子量(HMW)に分けられる。このうち、高分子アディポネクチンは肥満指数(BMI)と良く相関するとされ、臨床的に糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病やメタボリック症候群のマーカーとして期待されている。
【レプチン】
高値になる。レプチンは脂肪細胞由来のアディポサイトカインで視床下部の受容体に作用し、摂食抑制とエネルギー消費亢進作用による肥満の抑制に関与している。臨床的には高度肥満症、インスリン抵抗性糖尿病の病態把握のほか、メタボリック症候群でも測定される。
検体検査以外の検査計画 超音波検査、腹部CT断面像検査、負荷心電図検査、頸動脈エコー検査、BMI、生体電気インピーダンス法、水中体重測定、呼吸促迫指数

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